作家たちが猛反発「巨大化する出版社」の大問題

アメリカの大手出版社統合にあがる懸念の声

ペンギン・ランダムハウスに20億円で買収されるサイモン&シュスターは、スティーヴン・キングやボブ・ウッドワードといった著名作家の作品を多く出版している(写真:Krista Schleuter/The New York Times)

最大手の出版社がさらに巨大化しようとしている。ペンギン・ランダムハウスは、同じく出版大手のサイモン&シュスターをバイアコムCBSから20億ドル超で買収する予定。これが実現すれば、前例のないメガ出版社が誕生することになる。

ペンギン・ランダムハウスはアメリカ最大の出版社で、親会社はドイツの大手メディア企業ベルテルスマン。そこにアメリカ第3位の大手出版社サイモン&シュスターが加わる。「出版の巨人」を生み出す統合であり、反トラスト法(独占禁止法)に抵触しかねない組み合わせといえる。

相次ぐ統合、強まる「勝者総取り」

業界に与えるインパクトは大きい。一握りの大手出版社が著名作家やベストセラー確実とみられる作品を独り占めする「勝者総取り」の構図は、今回の統合で一段と強まるはずだ。

出版業界ではここ10年、企業統合が相次いでいる。2013年にはペンギンとランダムハウスが合併。続いてニューズ・コーポレーションが恋愛小説のハーレクインを傘下に収め、アシェット・ブック・グループもペルセウス・ブック・グループを買収した。

そうした中で「次に売り出されるビッグな出版社」と長く噂されてきたのが、サイモン&シュスターだった。同社はスティーヴン・キング、ドン・デリーロ、ボブ・ウッドワード、ドリス・カーンズ・グッドウィン、ウォルター・アイザックソンといった著名な書き手の作品を出版している。既刊書のタイトル数は3万点超。買収で規模拡大を狙う大手の出版社にとっては、魅力的な買収先と映ったはずだ。

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