「闇バイトに騙される大学生」急増している理由 あなたの子も知らぬ間に「受け子」になる危険も

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なぜ「闇バイト」のカモになる若者が増えているのか?(写真:yamasan/PIXTA)
年々、検挙数が増える「闇バイトによる特殊詐欺」。ネットで「日給3万円・スーツ支給・仕事はものを受け取るだけ」という求人を見つけたら、「ラッキー!」と思う若者がいるのもおかしくありません。しかし、甘い言葉には常に裏があるもの。多くの大学生が被害に遭う、闇バイトの恐ろしい実態とは? 元捜査一課刑事でデジタル操作班長として活躍してきた佐々木成三さんの書籍『スマホで子どもが騙される』より一部抜粋・再構成してお届けします。

闇バイトによる特殊詐欺は年々検挙数が増えています。闇バイトとは、高額報酬をうたって振り込め詐欺の受け子のような特殊詐欺をさせる仕事のこと。

バイトを探している少年が、「日給3万円・スーツ支給・仕事はものを受け取るだけ」という求人を見たら、「ラッキー!」と思ってしまうかもしれません。

でもよく考えれば、これは特殊詐欺の受け子です。「何かおかしい」という考える力が足りず、視野も狭いために犯罪に巻き込まれてしまうのです。

「闇バイト」の手口

闇バイトには、警察を装って電話で「あなたの口座が不正に利用されています」と言ってキャッシュカードをだまし取る掛け子や、だまされた人からカードや現金を受け取る受け子などがあります。

特殊詐欺グループは常に闇バイトを募集して、お金に困っている人を狙ってくるのです。つまり、カモを探しているわけです。例えば、実際の受け子の闇バイトの流れは以下のように行われます。

①「お金に困っているので仕事ください」などとツイートすると、DMが来る。

②別の掛け子が詐欺の案件が取れた後、ターゲット(被害者)の住所が送られてくる。

③指定された住所に向かい、カードや現金を受け取る。

出典:『元捜査一課刑事が明かす手口 スマホで子どもが騙される』(青春出版社)

やりとりの際、詐欺グループと思われる本部の情報は何もない。そもそも、顔も住所もわからない。ただ指示に従うのみなのです。特殊詐欺も、手口を年々変え、複雑化、巧妙化してきています。ただ、警察もそれに対して警戒を強め、いたちごっこのような状態が続いているのです。

闇バイトに応募したものの、怖くなって逃げたくなったとしましょう。それでも、逃れられない仕組みになっています。闇バイトの募集告知の多くには「身分証明書必須」などと書かれています。応募時に、運転免許証などの顔写真付きの身分証のコピーや、携帯電話の番号、父親や母親の連絡先から住所まで、本部に伝えなければなりません。

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