「闇バイトに騙される大学生」急増している理由 あなたの子も知らぬ間に「受け子」になる危険も

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ただその応募方法が、ツイッターでその起業家をフォローした上で、ツイートをリツイートするというものだったため、同じような感覚で、中高生や大学生が現金プレゼント詐欺に巻き込まれてしまうケースもあるのではないでしょうか。子どもたちは、「何が正しくて、何が怪しいか」の判別が大人ほどにできていないからです。

『元捜査一課刑事が明かす手口 スマホで子どもが騙される』(青春出版社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

大人からすれば「どう見ても怪しい」とわかりますし、「何の仕事もしないで5万円くれる人なんているわけがない」と思いますよね。でも子どもにしてみれば「○○さんもやっているし、もしかして、あるかも」と思ってしまうのです。

親が知っていれば、お子さんに話してあげることができます。親御さんも、子どもが面白半分で危ないことに手を出していないかどうか、(監視するのではなく)気軽に話題に出すことが大切です。合わせて日常会話の中で、お子さんと闇バイトのことや大麻のことなども話してあげてください。

「そんなことを教えると、かえって子どもが興味を持ってしまうのでは?」とおっしゃる親御さんもいますが、子どもは簡単にそのような情報をいずれ知ることになります。だからこそ、事前に伝えておくことが大事です。それは自分のお子さんを信じていないことになります。危険なことを子どもに教えないことのほうが罪だということを、知っておいてください。

大事なのは家庭環境を整えること

最後に根本的な解決策をもうひとつ。大麻などに逃げない子どもにするには、「家庭環境」がいちばん大事です。何か社会に不満がある、または自分への承認欲求などから薬物に走ることが多いのです。大麻に承認欲求を求めるのではなく、リアルに子どもが承認欲求を満たせるような親子のかかわり、家庭環境をつくってあげてください。

佐々木 成三 元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課・警部補

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ささき なるみ / Narumi Sasaki

1976年、岩手県生まれ。デジタル捜査班の班長として、デジタル証拠の押収解析を専門とし、埼玉県警における重要事件において携帯電話の精査や各種ログの解析を担当した。また、捜査本部に従事し、被疑者の逮捕、被疑者の取り調べ、捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当として数多くの実績を挙げた。2017年、「事件を取り締まるのではなく、犯罪を生まない環境を作りたい」という思いから埼玉県警を退職。現在は、TV番組にコメンテーターとして多数の番組に出演するほか、学生を犯罪リスクから守ることを目的に設立された「一般社団法人スクールポリス」の理事を務め、学校や企業での講演など幅広い活動を行っている。

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