「闇バイトに騙される大学生」急増している理由 あなたの子も知らぬ間に「受け子」になる危険も

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「RT(リツイート)したら1万円プレゼント」

「フォローしてくれたら100万円ゲットチャレンジ」

これは、ツイッター現金プレゼント詐欺と呼ばれるものです。目的は、誘惑に弱い若者の個人情報を入手すること。それが商材詐欺や投資詐欺の情報を送るカモのリストに使用されます。ラクをしてお金を稼ぎたい若者の個人情報はカモとなり、このカモリストを活用してお金をだまし取る犯罪グループが実在するのです。

実際にこんな手口がありました。カモリストに載っている大学生をホームパーティーに呼び、豪勢な生活を見せます。大学生は、たくさんの人が同じ投資や金儲けをしていることに安心し、さらには、いいスーツや腕時計をわざと見せるのです。お金の誘惑に弱い高校生や大学生なら、「こういう人になりてえ!」「こういう贅沢な生活に憧れる!」と思いますよね。当然、このまま帰れるはずもなく、危ない副業の手伝いや投資詐欺の話などに巻き込まれてしまいます。

「闇バイト」にだまされないために

まずは、子どもに先のような犯罪の手口を教えることです。「闇バイト」「高収入」……これらの言葉を用いた詐欺犯を募集するツイッター上の書き込み(ツイート)に対して「不適切な書き込みのおそれがあります」などと警告メッセージを返信する取り組みを、1年前から愛知県警が開始しました。これまでに県警が書き込んだ警告メッセージは約2200件にのぼったそうです(2020年8月現在)。その結果、警告を行った総数の約8割のツイートが削除されるなど、一定の効果を上げています。

警告メッセージを発信する取り組みは、北海道、群馬、茨城、埼玉、神奈川、大阪、福岡などにも広がっています。これまでお話ししたように、「受け子」などのわかりやすい言葉で誘うケースはまずなく、「闇バイト」「日払い」「高収入」など、直接的な表現を避けて募集を続けているのが特徴です。

闇バイトは犯罪です。当たり前のこの事実を、改めて子どもとともに認識していただきたいと思います。闇バイトを始める前に、免許証や学生証等、顔写真を送るよう指示され、もし逃げたら「大学にバラすぞ」。さらに、「就職先にバラして就職させないぞ」と脅迫されるので注意です。

親御さんは子どもがツイッターで危ない情報にアクセスしていないか気をつける必要があります。ある有名な起業家が、平成最後のお正月に1億円のポケットマネーを100人に配るという「100万円を100人にプレゼントするお年玉企画」が話題になりました。もちろん、この方の場合は冗談でも人をだまそうとしたわけでもなく、実際に当選者に現金が届けられました。

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