子ども目線はこんなに楽しくて、厳しい!

子どもとアートから見えてくる世界

子どもの言葉に耳を傾け、子どもが暮らす環境を知ると、世の中が違って見えてくる。そんな経験ができる「ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通して見る世界」が、8月31日まで六本木ヒルズの森美術館で開かれている。写真、映像、絵画などの作品の中から、キュレーターの荒木夏実さんにいくつか紹介してもらおう。

本当のパパなの?

ジャン・オー『パパとわたし:No.29』 2006年 Collection : Mori Art Museum, Tokyo

青空と花を背景に、白人男性とアジア系の少女が寄り添っている。中国からやってきたこの少女は、国際養子縁組によって米国人の養子になった。会場には同じような白人の養父とアジア系少女の親子の写真が10点並ぶ。

「明らかに人種の違う、年の離れた男の人と女の子が写っている写真を繰り返し見ていると、親子には見えないし、恋人だとおかしいし、これは何だろう、どういう関係なんだろうと、気持ちがザワつくと思います」

不自然なほど明るく、くっきりとした画面が、余計に不安を感じさせる。荒木さんは、この写真がいろいろな視線を喚起させるからではないかと言う。

「何百年も前から続く、西洋が東洋を見る目、東洋の女性へのあこがれと蔑視、何も知らない未熟な女の子を守りたいという男性の目、そういう伝統的な視線があるから、落ち着かない気持ちになるのだと思います。一方で、血縁がなくても親子だという、新しい家族観を提示していると見ることもできます」

中国では一人っ子政策の影響で、養子に出される子どもの大半が女児だという。米国から見るか、日本から見るか、中国から見るか、国によっても見方が変わってくる作品だ。作者のジャン・オーは1970年代に中国の広州に生まれた女性アーティスト。現在はニューヨークを拠点に活動している。

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成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。