子ども目線はこんなに楽しくて、厳しい! 子どもとアートから見えてくる世界

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収容所での複雑な心情

宮武東洋「マンザナー収容所」シリーズより 1942~1945年 Collection:Tokyo Metropolitan Museum of Photography

次は太平洋戦争中に米国の日系人収容所で撮影された写真だ。

「日系2世の子どもたちは米国で生まれ育って、米国の市民権を持っている。それなのに、なぜ敵国の人間として収容所に入れられるのか、という悲しみがあります。その一方で、子供たちは収容所での日々を楽しんでもいました。この写真ではいかにもポーズをとっている感じだし、日本の戦時中に比べたら食料事情はずっとよかったそうです」

撮影した宮武東洋は、ロサンゼルスのリトルトーキョーにスタジオを構える売れっ子の写真家だったが、収容所に入れられることになり、こっそりレンズを持ち込んだ。収容所にいた大工さんにカメラを作ってもらったという。

「記録を残さなくてはという使命感に燃えて、ひそかに収容所内を撮影していました。そのうち写真好きの所長が理解者となり、収容される身でいながら、公式カメラマンとして生き生きとした写真をたくさん残しています」

日系2世の中には、米国への忠誠を示そうと、志願兵になる人もいた。

「展覧会のタイトルにしたゴー・ビトゥイーンズとは、米国に移住して英語が話せない親の通訳となり、橋渡しをした子どもたちのこと。子どもたちは両者をつなぐ存在であると同時に、日系2世のように、社会の板挟みにもなったのです」

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