ワールドカップ・真のサポーターとは何か 日本代表への心ない批評にモノ申す

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 グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。そんな中、人気コラム「グローバルエリートは見た!」の筆者で、『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』の著者であるムーギー・キム氏が後継者を募集。“芸風が似ている”ということで後継コラムニストとして指名されたブラザー・キム氏が、香港を拠点に世界を飛び回りながら、一流エリートと二流エリートの違いをつづっていく。

 

ニッポン!! ニッポン!! ニッポン!!

というわけで、ワールドカップで盛り上がっている昨今だが、残念ながら、日本代表はコートジボワールに負けた後、ギリシャとは引き分けてしまった。世界ランキングの差を考えると順当な結果とも言えるが、人間というのは自分に対して自信過剰であるというのは世の常である。

コートジボワール戦に関しては、ドログバ投入直後の空気の変わり方は見事であり、チームを鼓舞し、勇気を与えるという意味でまさしくリーダーシップという気がした。また、ギリシャ戦では日本がずいぶんボールを保有して攻めるシーンが多かったが、1人減った後のギリシャのさらなる堅守に阻まれ、残念ながらドローで終わった。

ここ最近、会社そっちのけで早朝からW杯漬けのグローバルエリートの弟子だが、今回私が筆を執ることにしたのはほかでもない、W杯で頑張るサムライブルーの選手たちに対する、心ない批評の数々にモノ申すためである。

結果次第でまったく異なる報道

「勝つ気があるのかよ」「勇気を持って前に出て」「日本らしいサッカーができていない」「香川は何をやっている」「ホンダはパスミスが多い」「しょせん、日本サッカーはまだまだ世界に通用しない」「なんで交代カードを切らない」などなど、わかったような素人評論家と玄人評論家がしたり顔でザックジャパンを批判しているが、これらの批評からは得るものがない。

というのも、仮にまぐれでもなんでも(たとえば大久保選手があの場面で決めて)ギリシャに1-0で勝っていたら、さしずめ「知将・ザッケローニ監督の采配的中」とか、「4年前の教訓を生かしてチームが生まれ変わった」とか、「世界に羽ばたく、攻撃型サッカーのサムライジャパン」とか、「巧みなパス回しによりボール支配率でギリシャを圧倒」とか、勇ましい報道とネットの書き込みが乱舞したことであろう。

選手、監督、また真のサポーターの皆様には、(一部の洞察力ある人を除いた)大半の評論家やにわかファンの書き込みなど、一顧だにすることなく、コロンビア戦に臨んでいただきたい。なお“真のサポーター”と書いたのは、サポーターと名乗りつつ全然サポートになっていない、むしろ負担にしかなっていない人たちがあまりにも多いからである。

青いユニフォームを身にまとって応援しているように見えて、その実、勝っているときだけ喜んで酒をあおり大騒ぎし、負けているときは監督面して的外れな批判ばかりするのだから、選手やチームをサポートしているわけでもなんでもない。サポーターという立派な称号を名乗るのはおこがましく、ハチ公前で大騒ぎしたいだけの“交差点ハイタッチャー”くらいの呼び名がいいところだろう。

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