「仕事ができる人」ほど人を育てられない残念さ 上手下手の決定的違いを生む「人への関心度」
目指していないことに対して、あれこれ言っても部下の頭には入りません。そして、当然ながら部下も能力を伸ばそうとは思いません。
「3年後、5年後には、こうなっていようぜ!」という目標を上司と部下で共有し、本人がわからない場合は、一緒に考える。
その目標に向かって「ここはできてるね」「ここは足りないね」とアドバイスを続けていく。これが人材育成の基本です。
ただ、こうしたプロセスをきちんと踏んで、人を育てていくのは、簡単なことではありません。手間も時間もかかります。
だからこそ、人への関心度合いが重要になってくるのです。
要注意! 仕事ができる人ほど、育成下手になりがち
仕事ができる人が、人材育成も得意かというと、実はそんなことはなく、むしろ苦手な人が多く見られます。
仕事ができる人は、できないことが信じられません。できない人の気持ちもわからないため、「なんでできないの?」などと言いがちです。
しかし、これは人材育成におけるNGワード。できる方法を一緒に考えるのが、マネジャーの仕事です。
また、教えるよりも、自分でやったほうが手っ取り早いため、部下がやるべき仕事を奪ってしまい、成長の機会損失をさせてしまうケースも少なくありません。
マネジャーに昇格するのは、エースで4番が多いため、こうした矛盾が生じやすいのです。
日本では、ほとんどの管理職がプレイングマネジャーです。自分の成績も上げながら、部下も育てるというのは無茶な注文ではありますが、マネジャーである以上、育成上手も目指さなくてはなりません。
自分ができることを、どう分解し、どう論理立てて教えられるようになれるかが、プレイヤーからマネジャーになるときの大きな壁になります。