家が寒い人が知らない「断熱改修」の意外な効果

既存住宅も夏涼しく冬暖かければ健康にも効く

国土交通省は2014年度から、医学・建築工学研究者による「断熱改修による居住者の健康への影響調査」を実施。2019年1月には、「住宅内の室温の変化が居住者の健康に与える影響とは? 中間報告」として、全国約2000世帯、4000人規模の調査をまとめ、発表した。

その結果、室温が低い家では、コレステロール値が基準範囲を超える人や心電図をとると異常所見が見られた人が有意に高かった。また、就寝前の室温が12℃未満の住宅では、18℃以上の住宅と比べて過活動膀胱症状のある人の割合が1.6倍高かった。

また、家を床上1mと床近くの室温の組み合わせにより3つのグループに分けて、居住者が病気で通院したり、耳が聞こえにくい、骨折や捻挫などの不調を経験したりした人の割合を比較したところ、「温暖グループ」の暖かい家に住む人に比べ、ほかの2つのグループに住む人が通院、または不調を経験した人の割合が高くなった(表1)(表2)。

(外部配信先では表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

冬場に暖かい家に住む人は老化が遅くなる?

慶応大学理工学部システムデザイン工学科教授の伊香賀俊治教授らの研究チームは、国土交通省の調査で中心的役割を果たしてきたが、それとは別に、高知県梼原町と山口県長門市で「介護予防につながる住宅と住まい方」について研究を続けてきた。

それによると、脳MRI画像分析による脳健康指標の状態を調べたところ、冬場に2℃暖かい家に住む人は、脳年齢が4歳若かった。また、冬季に居間の平均室温が14.7℃の寒い家に住む人は、要介護認定平均年齢が77.8歳だったが、17℃の家に住む人は80.7歳だった。伊香賀教授は「冬場に室温を約2℃暖かくすると、要介護認定される年齢を約3年遅らせることができることを示している」と話している。

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