昔の日本は「告白は女性からだった」意外な事実

あの浦島太郎もプロポーズを受けている?

よくよく考えれば、恋愛で付き合う際に「告白は男からするもの」という考え方自体が間違いで、本来男女関係なくするものでした。この「告白は男から文化」は意外に歴史が浅いのです。

これが、全国的に行動形式として流布されたのは、1987年に始まったとんねるず司会の人気バラエティ番組「ねるとん紅鯨団」だと考えられます。男女のマッチングパーティーのことを「ねるとんパーティー」などと言いますが、その語源になった番組です。

この番組では、男女が集団でお見合いを行いますが、最後に、男が女の前に手を差し出して「よろしくお願いします」と告白するのが定番の流れでした。この方式は、30年以上たった今でも婚活パーティーなどではよく見られる光景です。

これ以前のテレビの恋愛バラエティは、「プロポーズ大作戦」や「パンチDEデート」などがありましたが、いずれも告白は、男女同時でした。この「ねるとん」方式が、「男から女に告白する」という形を世の中に広めた1つのきっかけと言えるでしょう。

それどころか、もっと日本の歴史を遡れば、「告白は男からするもの」どころか、女のほうからするのがむしろスタンダードだったのではないかと考えられます。

古事記ではイザナミからプロポーズ

「古事記」の中で、日本で最初に夫婦となったイザナギとイザナミのプロポーズのシーンが描かれていますが、男のイザナギのほうが声をかけるのを恥ずかしがっているうちに、女のイザナミのほうが焦れて先にプロポーズしてしまったという逸話があります(その後、2人は、男のイザナギのほうから声をかける形のプロポーズのやり直しをしています)。

神話だけではありません。昔話に描かれているエピソードをよくよく見ると、有名な「鶴の恩返し」なども女性に姿を変えた鶴が、男の家に押しかけて、「妻にしてください」と告白するパターンです。

「鶴の恩返し」だけではなく、昔話には、動物が女性の姿になって人間の男と結婚するという「異類婚譚」が数多くありますが、「蛙女房」「蛇女房」などそのいずれも、女のほうから押しかけ告白をしているものばかりです。

誰もが知る「浦島太郎」ですが、「亀を助けて、亀に連れられて竜宮城に行った」という流れは、後世に作り替えられたもので、もっとも最古といわれる、713~715年ごろの『丹後國風土記』の中に書かれた浦島伝説では、こうなっています。

「浦嶋子(浦島太郎のこと)は、一人舟で釣りに出て、五色の亀を釣りあげた。彼がうたた寝をしている間に亀は美女に変身し、いきなりプロポーズされて、常世(竜宮城)へと連れられる。嶋子は常世で姫と結婚し夢のような3年間を過ごす」

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