「変異種これから席巻」米国が発した緊急警告 感染さらに広がり医療は一段と逼迫する可能性

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アメリカでは変異ウイルスが3月に席巻し、さらなる犠牲者が出る可能性が取りざたされ始めた(写真:Jim Wilson/The New York Times)

アメリカ疾病対策センター(CDC)は1月15日、イギリスで初めて確認された極めて感染力の強い新型コロナウイルスの変異種が3月までにアメリカを席巻し、感染者数および死者数のすさまじい増加と医療のさらなる逼迫をもたらす可能性が高いと警告した。

当局から厳しい予測が示されたことで、ここ何週間と渦巻いていた懸念が本物であることが明白になった格好だ。アメリカでは、ワクチン接種が時間との闘いになっている。変異ウイルスが全国に広がる前に少しでも多くの国民にワクチンを接種しておく必要性が高まっている。

出足から躓いたワクチン接種計画

公衆衛生当局は、従来の予防措置は変異ウイルスにも効果があると強調し、従来の対策の大幅強化を求めている。マスクの着用や物理的距離の確保(「密」の回避)をこれまで以上に徹底し、手洗いの頻度を上げ、人との交流や屋内での集まりをさらに減らす、ということだ。

この変異ウイルスによる致死率や重症化率の上昇は確認されていない。が、感染力の高い変異ウイルスが広がっているという不安な警告は、アメリカのワクチン接種が出足から大混乱となっている中でもたらされた。最前線で働く医療従事者以外の接種対象者やワクチンの供給不足をめぐって情報が錯綜するなど、場当たり的な対応が次々に浮上。ワクチン接種はいきなり計画倒れとなっている。

接種会場で高齢者が何時間待ちという長蛇の列に並ばされた揚げ句、中には接種を受けられずに帰宅させられる人まで出るという光景が、その混乱ぶりを物語る。重症化リスクの高い人を守るという約束は、泥縄式の対応によって裏切られた。

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