疫学者700人がコロナ禍で「絶対にしない行動」 ワクチン接種が始まってもマスクは必須に
新型コロナウイルスのワクチン配布が近づいているが、専門家の多くは国民の大半の接種が済むまでは、以前の日常が戻るとは考えていない。
疫学者700人を対象としたニューヨーク・タイムズの非公式調査では、最低でも人口の7割が接種を済ませるまでは自らがとっている予防的行動を変えるつもりはない、との回答が約半数を占めた。その一方で3割の専門家は、自らの接種が済んだ後は行動を多少変えると回答した。
元の生活に戻るには「あと何年もかかる」
極めて効果的なワクチンが広く行き渡れば、来年の夏に今より自由な生活様式を安全にスタートさせられるようになる、と回答した疫学者は少数にとどまった。中には「ワクチンの臨床結果は期待できるものだった。2021年の夏までに、あるいは夏の間に以前の生活に戻れると楽観している」(ミシガン州立大学のケリー・ストラッツ助教授)とする回答もあった。
しかし疫学者の大多数は、ワクチン接種が始まったとしても多くの行動を安全に再開できるようになるまでには1年かそれ以上かかり、一部の行動については以前の状態には2度と戻らないかもしれない、と答えている。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校のカリン・ミシェルズ教授は「以前の生活様式をだいたい取り戻す」には、おそらくあと何年もかかると回答した。「私たちはウイルスとともにある生活を受け入れなくてはならない」。
疫学者が懸念しているのは、さまざまな不確定要素だ。ここには免疫の持続期間、ウイルスの変異、ワクチン配布の障壁、ワクチン接種を拒否する人々の動向などが含まれる。
感染悪化が予想される本格的な冬が目前に迫った今、疫学者たちは予防策を徹底し、新たな生活様式を取り入れている。その対策は、一般的なアメリカ人が行っているものよりもはるかに厳しい。
日常生活における23の行動について疫学者に尋ねたところ、過去1カ月間に行ったことがある、との回答が多数を占めた行動は3つしかなかった。屋外で友人と会う、予防策を講じることなく郵便物を受け取る、食品や医薬品の買い出しなどの雑用に出かける、の3つだ。