「睡眠の質が高い人」は日中これだけ歩いている アメリカの学術誌が研究結果を発表
日中に歩く量を増やすと、夜によく眠れるようになるかもしれない――。そんな気になる研究が学術誌『スリープ・ヘルス』で発表された。これは歩きと睡眠の相関について調べたもので、きちんとした運動でなくとも体を動かしていれば、いい睡眠につながる可能性があることが示されたという。
睡眠と運動の専門家たちは以前から、身体的な活動と睡眠との相関に関心を寄せる一方で、想定外の結果に困惑させられることもしばしばだった。両者の相関など当たり前だと一般人は思っているかもしれない。トレーニングをして疲れれば、夜はよく眠れるというわけだ。
運動が睡眠に与える影響は
だが過去の複数の研究を見る限り、運動が睡眠に与える影響はそう単純なものではない。あまりに激しいトレーニングをすると相対的によく眠れなくなるという研究もある。激しい運動は眠りを妨げる可能性があるわけだ。
逆に睡眠が運動に影響を及ぼすこともある。よく眠れなかった次の日には、多くの人がいつものトレーニングが通常よりつらいと訴える。また、運動のタイミングは睡眠に影響を及ぼすのか、及ぼすとすればどのようにか、午後の運動は夜の眠りをよくするのか悪くするのか、といったテーマについても、過去の研究は相反する結果が出ている。
こうした過去の研究の多くは、計画的に行われた運動を対象としており、もっと偶発的な日常の身体活動について調べたわけではない。また、調査対象となったのは主に、不眠症など睡眠の臨床的問題を抱えている人々だった。
日中、きちんとした運動をしない(それも普段からかなりよく眠れている)人々が歩く距離を増やした場合、眠りに影響は出るのかどうかはほとんどわかっていなかった。