「睡眠の質が高い人」は日中これだけ歩いている アメリカの学術誌が研究結果を発表

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今回の研究を行ったブランダイス大学(マサチューセッツ州)などの研究チームが、歩きと睡眠の関係について調べようとしたのにはそんな背景があったのだ。

この研究は、ボストンとその周辺の成人住民にもっと体を動かしてもらおうというキャンペーンの一環でもあった。研究はボストンとその周辺に住む主に中年の男女59人を被験者として行われた。彼らはフルタイムで働いており、体を動かす十分な時間がないことを懸念していた。

歩く量が増えた人は、睡眠の質が改善

研究チームは被験者に活動量計を支給、一部の人には忙しいスケジュールの中に歩く時間をいかに入れ込むかについてのアドバイスも行った(研究では、助言や応援が身体的活動に与える効果についても、単に見守るだけのケースと比較して調べた)。

59人は4週間にわたる調査の始めと終わりにアンケートに答えたほか、毎日、睡眠と運動についても質問に答えた。問いには入眠までにかかった時間や夜中に目覚める回数、翌朝どのくらいすっきりと起きられたかといった睡眠の質についてのものもあれば、ベッドに入ってから起きるまでの時間(睡眠の量)を尋ねるものもあった。

今回の実験では、研究チームは被験者1人ひとりについてデータを精査した。とくに注目したのは動いた量と睡眠の質。何らかのはっきりした相関パターンが見つからないかと考えたのだ。

実際に相関は見つかった。移動量と睡眠の質の間には一貫した、そして強い相関があった。実験が行われた1カ月間を通して歩数を増やした人々は、それに合わせて睡眠の質もよくなったと感じた。体を動かしていた時間についても同様で、1カ月を通して歩く時間が延びた人は、睡眠の質もよくなったと感じた。

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