爪ようじをうっかり飲み込んだ男の壮絶な末路

医学誌は以前から危険性を指摘

つまようじを食事中気づかずに飲み込んでしまうトラブルは少なくないという(写真:Tharakorn/iStock)

ある若い男性が、自分で飲み込んだことすら気づいていなかったつまようじのせいで命を落としかけた──。医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に1月30日、こんな報告が掲載された。

サンドイッチに刺さっていた約8センチの木製のようじが、彼の消化管のほぼ全経路を移動したが、何も害はもたらさなかった。だがその後、つまようじが腸壁を突き破って動脈に穴が開き、そこから細菌が血液中に侵入して動脈から激しく出血した。

当初は医者にも原因がわからず

腹痛、発熱、胃の重い不調が3週間近く続いたが、当初は医者にも原因がわからなかった。原因が判明したときには、命の危険がある感染症を発症しており、広範囲にわたる手術を行って彼は命を救われた。

これほどのまでの損傷は珍しいが、つまようじが引き起こすトラブルは以前から医学誌に報告されてきた。ミニハンバーガーやトルティーヤのラップサンド、クラブサンド、カクテルなど、つまようじは至るところで使われている。急いで食べたりして、飲み込んだことに気づかない人も多い。

飲み込まれたつまようじは、胃酸や消化酵素で分解されずに胃や小腸、大腸で発見された。肝臓や膵臓、肺、腎臓、冠動脈といった器官にまで達したケースもある。スキャン検査で発見するのは困難だ。

医学誌に報告されるほど深刻な症状にいたった136件を分析したところ、そのうちの10%近くが命に関わるものだった。

次ページ最初は発熱と右下腹部の痛み吐き気と下痢だったが…
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 買わない生活
  • 逆境からの人々
  • 西村直人の乗り物見聞録
トレンドライブラリーAD
人気の動画
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
AOKI、コロナ禍で売れた「パジャマスーツ」で描く復活戦略の要諦
AOKI、コロナ禍で売れた「パジャマスーツ」で描く復活戦略の要諦
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
持たざる国・日本に大激震<br>エネルギー危機が来る

脱炭素の移行期に化石燃料の争奪戦が勃発。天然ガスの価格は歴史的な急騰を記録しました。余波はサプライチェーンの混乱から世界経済の後退懸念、原発待望論まで広がります。資源小国の日本が生き残る道はあるのでしょうか。

東洋経済education×ICT