疫学者700人がコロナ禍で「絶対にしない行動」 ワクチン接種が始まってもマスクは必須に
それ以外の行動については、調査に応じた疫学者はほぼ全面的に避けている。そうした行動の中には多くのアメリカ人が現在行っているものもある。この1カ月間でスポーツ、演劇、コンサートの会場に足を運んだり、よく知らない人と会ったり、結婚式に出席したり葬式に参列したことがある、と回答した専門家はほとんど1人もいなかった。
「知らない人が近くにいると以前よりも不安を覚える。そうした感覚はこれからも続くだろう」(カリフォルニア大学サンフランシスコ校でポスドク研究員を務めるエリコット・マセイ博士)
冬の休暇に「祝い事」はしない
クリスマス、ハヌカーといった冬の休暇の予定については、サンクスギビング(感謝祭)と同様、家族だけで過ごすか、祝い事はしないとする回答が4分の3に達した。
調査票の中で示した一連の行動のうち、どれが最も安全で、どれが最も危険かとの問いに対しても、大方の意見が一致した。屋外での行動や物体の表面に触れることについては、あまり危険視されていない。危険視されているのは、屋内での行動や大規模な集まりだ。ただし危険度のレベルについては、疫学者の間でも見解にばらつきが見られた。
マサチューセッツ大学のリーランド・アッカーソン准教授は「屋内に多くの人が集まるのが、状況としては最も危ない」と回答。「屋外で少人数、かつソーシャルディスタンスを確保して予防策も行えばリスクは最も低くなる」とした。同氏はこの1カ月間で、友人とハイキングに出かけたほか、郵便物を予防策なしに開封し、雑用にも出かけたと答えた。
半年前に行った同様の調査でニューヨーク・タイムズは疫学者に次のような質問を投げかけた。通常の生活を取り戻せるのはいつになるのか——。これに対して疫学者の多くは、日常生活の多くが通常に戻るのには1年かそれ以上かかると答えていた。あれから感染状況はさらに悪化。その一方で治療法は改善してきているため、今回の調査ではパンデミックの中で疫学者の生活様式がどのようなものとなったかに質問の的を絞った。