高校受験生に教えたい難敵「思考力問題」克服法

大学入試改革が高校入試にも大きく影響

思考力や読解力が必要な問題が増えてきています(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/ PIXTA)
「高校入試で難関高校に合格するには、思考力と読解力が不可欠」と話すのが、「首都圏を中心に約300教室を展開し、『高校入試対策問題集 合格への最短完成シリーズ』を監修している大手進学塾・栄光ゼミナールの内田幸仁氏です。今年から始まった大学入学共通テストが「思考力」「判断力」「表現力」を重視する方針を掲げており、その影響が高校入試にも及んできています。今回は、近年の高校入試の変化とその対策について、内田氏が解説します。
前回:すぐ改善すべき「高校受験で失敗する子」の盲点

確実に進む「思考力重視」へのシフト

近年の大学入試改革では「思考力」「表現力」「判断力」を重視するとされています。ここ数年の高校入試問題を見ていると、思考力問題と呼ばれる、思考力や読解力がカギになる出題が以前より増えていると感じます。

日本の貿易がテーマの、公立高校入試の社会科の問題を紹介します。

次の表は、日本、インド、タイ、インドネシア、中国の主な輸出品、乗用車保有台数、GDP に関する統計をまとめたものである。タイに当てはまるものを、表中のア~エから1つ選びなさい。〈栃木県・改〉

中学生の解き方でいくと、アは乗用車保有台数が最も多く、4か国の中では1人あたりのGDPが最も高いことから、工業化が進展した中国です。イは輸出品のダイヤモンドからインド、ウは輸出品の石炭とパーム油からインドネシアとわかります。残ったエがタイとなります。

ビジネスに詳しい方なら、タイの自動車の輸出額に注目しても答えを導けるでしょう。また、1人あたりのGDPが大きい順に、経済発展している中国→タイと目星をつけて、割り出していくこともできるでしょう。

この問題には、解き方がいくつもあります。基本的な知識をもとに、資料を細かく読み解き、自分なりに考えて答えを組み立てていくのです。

この問題自体は、中学地理の出題として突飛なものではありません。思考力が特に重視されるようになった近年よりも前から、出題されていてもおかしくありません。ただし、頻出だったわけではないでしょう。

ここで言いたいのは、「この問題のような、標準的な知識の範疇で解けるのだが、思考力や読解力がないと、正解までたどり着きにくくなっている出題が増えている」ということです。

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