業態別にみると、「酒場・ビアホール」の189件(構成比24.2%)に続いて多いのが、「中華・東洋料理店」(105件、構成比13.5%)である。「麺駒」のような「町中華」もこれに当てはまる。
厚生労働省が2016年に発表した調査によると、中華料理店の68%は個人経営で、経営者は60~69歳が30.6%(50歳以上で74.3%)を占めるという。後継者がいない店は69.1%もある。
コロナ禍の逆風で老舗の町中華が次々閉店
戦後から高度成長期にかけて開業した飲食店は、そもそもコロナ以前から後継者問題にぶち当たっていた。町中華は自己保有物件、家族経営のお店が多く、物件を賃貸して、家族ではない従業員を雇ったりする飲食店と比べると想定的にランニングコストは高くない。
だが、後継者がいないことからコロナ禍におけるこの環境悪化がきっかけとなって閉店に追い込まれるパターンが出てきている。筆者が最近聞いた中でも、早稲田エリアに残る数少ない町中華の1つだった「早稲田軒」が昨年8月に、入谷駅(東京メトロ)近くの「山久 根岸店」が同11月にそれぞれ閉店となっている。
現代の価値観として「家業」という考え方が薄れ、そもそも店主が子どもに継がせたがらない風潮もある。コロナ禍という逆風も相まって、これからも町中華が次々と閉まっていく流れが止められない。
一方、「麺駒」が出した貼り紙の続きを読むと驚きの展開になっていた。
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