ヤクルト高津臣吾監督が感じた「究極の悔しさ」 内川選手ら新戦力とともに2021年こそ優勝を
勝った試合よりも、負けた試合の方が印象深い
──監督一年目となった2020(令和2)年シーズン。全120試合の中で印象的な試合は何でしょうか?
高津 勝った試合で言えば、西浦(直亨)がサヨナラホームランを打った試合(6月25日・対阪神戦)や、川端(慎吾)がサヨナラヒットを放った試合(7月25日・対巨人戦)が、頭に浮かびますね。
──7月2日の対広島戦では村上宗隆選手のサヨナラ満塁ホームランもありました。
高津 そうですね。やっぱり、劇的なサヨナラ勝利は頭には浮かぶんですけど、正直言えば、そうした試合よりも負けた試合、悔しい試合の方がずっと頭には残っています。
──勝った試合よりも、負けた試合の方が印象深い。例えば、どんな試合でしょうか?
高津 例えば、タイガースに20点取られた試合がありましたよね……。
──7月28日、神宮球場での試合ですね。先発のイノーア投手が2回7失点でKOされ、トータルでは11四球、20失点という試合でした。
高津 あの試合は本当に悔しかったのでよく覚えています。「思い出の試合は?」と聞かれると、まずこの試合が頭に浮かびました。あと、ジャイアンツに12対0で負けた試合もありました(6月28日)。「強い、弱い」とか、「勝った、負けた」ということ以前に、きちんと勝負できているのか。そこが大きな問題だと感じました。あの悔しさは絶対に忘れちゃいけないと思います。
──当時の新聞記事によると、「究極に悔しい。忘れちゃいかんと思います、この12対0というのは」という監督のコメントが掲載されています。
高津 その思いは今でも変わりません。あのときの悔しさ、そして情けなさ。もちろん、さっき挙げたようにいいゲームはたくさんあったし、いいバッティングも、いいピッチングもありました。でも、それ以上に負けた悔しさ、情けなさ、歯がゆさ、頭の血管が切れそうになったことの方が圧倒的に印象に残っているのが、正直なところですね。