浜田雅功の「圧」と松本人志の「奇襲」≪ダウンタウンDX≫が築いた異質空間が終焉することの意味

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ダウンタウンDX 浜田雅功 松本人志
32年の長寿番組もついに幕を下ろすことになった(画像:「ダウンタウンDX」公式インスタグラムより)

1993年に始まった人気番組「ダウンタウンDX」(読売テレビ制作、日本テレビ系)が、6月に終了することが発表された。ダウンタウンの松本人志と浜田雅功が司会を務め、毎週さまざまなゲストを迎えてトークを繰り広げるスタイルで親しまれてきたこの番組が、32年の歴史に幕を下ろすことになる。

松本が昨年1月から活動休止しているうえに、浜田も体調不良により休養に入ったため、コンビ揃っての出演が困難になったことが原因ではないかと考えられている。

読売テレビは、ダウンタウンの2人から所属事務所を通して「活動休止によって多くの関係者の方々にご迷惑をおかけしている」という意向を受けて、総合的に判断した結果、放送終了を決めたのだという。

番組開始以来、時代は大きく変わり、テレビの影響力はどんどん落ちてきている。それでも、この番組は多数のゲストを呼んでトークをするという形式を保って、芸能界の縮図のような存在であり続けた。そこに独特の存在意義があった。

生放送のような緊張感

「ダウンタウンDX」が長く人気を保ち続けた最大の要因は、ダウンタウンの2人の「舞台力」にある。舞台育ちの芸人である彼らは、観客を前にした収録を得意としてきた。浜田の力強くテンポの良い進行と、松本のシャープなボケ。ゲストが誰であろうと、話を引き出して、笑いに仕立てる彼らの職人技がこの番組を支えてきた。

特に、進行役の浜田はスタジオにゆるい空気が流れることを許さず、収録番組でありながら生放送のような緊張感を保つ進行を徹底してきた。私自身も「ダウンタウンDX」の収録現場に立ち会って、その様子を目の当たりにしたことがある。ほかの番組とは違って、ほとんど生放送に近い形で収録が行われていたことが印象的だった。

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