中学受験「上に上がれない子」こそ頑張っている おおたとしまさ氏が語る「中学受験の本質」

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Q、成績順に分けられる塾のクラス、ずっと上に行けません。中学受験の勉強を続けるべき?

塾でクラスが上がらないという話は、中学受験マンガ『二月の勝者』の中にも出てきました。ある女の子が通っている塾とは別のトップクラスの授業を経験してみるというシーンだったと思います。そうすると、その子はこう言うのです。「すごい!面白い」と。

実は、中学受験の問題は、上のクラスになればなるほど面白いんです。考えさせる問題が多いからです。下のほうのクラスだと、こうした応用問題まではなかなか出てきません。下のクラスの子たちは、暗記などの繰り返しで解けてしまうような問題、つまり、あまり面白くない問題をずっと解き続けていたりする。

親としては、上のクラスに行けないことをふがいなく思うこともあるかもしれませんが、下のクラスの子ほど、しんどい勉強を頑張っているということも言えます。だから、「うちの子、すごい頑張ってるんだ」と、ぜひわが子を誇りに思ってほしいと思います。

もし、そういう子たちをバカにする人がいたら、僕は許しません。勉強が好きで得意な子がどんどん勉強するのは当たり前のことです。そういうわけでもないのに、勉強を続けているんだから、「あなたはもっとえらい」と言ってあげてほしいです。

親はどれだけ関わるべきなのか

Q、塾の授業にはついていけているが、本人任せのままで大丈夫?親がもっとフォローすべき?

これは小学5年生の保護者の方からの質問です。本人が中学受験を希望し、5年生の9月から入塾、授業にはついていけていて、テストの振り返りなども自分でやっているようですが、どこまで本人任せでいいのか、親がもっとフォローすべきかという内容でした。

僕が思うに、今のところ授業についていけているなら、よいのではないかと思います。テストの振り返りが自分でできるというのはすごく中学受験に向いている子なんだろうと思います。おそらく、塾に入られる前からなんとなく、家庭の中で勉強の仕方というのを上手に伝えてこられたのだと思います。

このお子さんのケースの場合、ポジティブに受験勉強をされているのでよいと思うのですが、なかなか成績が取れない、授業についていけないということもありますよね。なかなか成績が上がらない時に「じゃあ、私がまだまだ関わらなきゃいけないのかしら?」というふうに、責任を感じてしまう親御さんがいるのですが、これ、世の中で言われていることとは逆のことを言ってしまうかもしれませんが、受験は親が頑張るものではないと思うのです。

あくまでも、子どもの人生を親がサポートしていくというものであって、子どもの代わりに何かをしてあげることではありません。お弁当を作ったり、成績が落ちて落ち込んでいる時に、ケーキでも買ってきて「一緒に食べようか」と励ますような、そんなサポートがいいと思うのです。まるで職場の上司のように「何が悪かったのか振り返りをしよう」なんていうことは、必要ないと思うのです。

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