中学受験「上に上がれない子」こそ頑張っている おおたとしまさ氏が語る「中学受験の本質」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

もちろん、親が付きっきりで指導をすれば、偏差値はそれなりに上がると思います。だけれども、それにどういう意味があるんだろうなと。成績が上がったという成功体験になるかもしれないけれど、今回の相談者のお子さんのように、「自分でやっているんだ」というほうが、子どもは誇りを持てるはずですよね。

せっかく今、なんとか自力でうまくいっているところに親が手出し口出しをしてしまうと「あれ?これって自分の成績なのか、親の成績なのか分からないよね」となってくると思うのです。勉強については塾に任せて、親は気持ちに寄り添うことができていれば十分だと思います。

「高校からではよい学校が少ない」?

Q、都立の中高一貫校も完全一貫化、“高校からではよい学校が少ない”という噂はホント?

東京においては大きな動きがありまして、都立の中高一貫校が全部で10校あるのですが、そのうちの5校は、これまで高校からの募集もしていました。ですが、このうち2022年までに4校が高校募集を停止、時期は未定としていますが、残る1校も募集を停止することを決めています。つまり、その学校に行きたい場合は中学から入るしか方法がないという状況になります。

これに加えて、豊島岡や本郷など、私立の人気校と言われるような学校も、軒並み高校募集の停止を発表しました。私立のこうした学校が高校募集を停止した背景には、都立高校の巻き返しがあります。難関大学への進学実績が上がってきているのです。私立の人気校は都立高校のトップ校の人気が上がったことで、そこと競合してしまう。高校募集で今まで取れていた学力上位層の生徒がとりにくくなったということもあり、高校受験から取るのではなく、優秀な子を中学受験で取ってしまおうという方向に向かいました。

これは首都圏だけの話しではなく、関西でもここ数年、少しそうした動きが見られます。首都圏に遅れること数年という感じで、関西でもこの動きは起きていくと思います。

実は、さらに新しい動きが最近出てきています。いわゆる中堅校と言われるような私立の完全中高一貫校が、逆に高校募集を始めるという動きです。都立高校トップ校を目指していたけれど入れなかったという子たちの受け皿として、中堅校にきてもらおうじゃないかということです。

そう考えると、中学受験をしないと高校受験で行けるところがなくなるのではという話は、そうでもないよということです。無理をして中学受験することもないんだよというのは、フェアな立場から言っておくべきことです。こうした状況も分かった上で、煽られるのではなく、冷静に判断をして、どうして中学受験をするのかということを、問い直してほしいと思います。

次ページ入試の多様化、はどう影響するか
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事