享年33歳の彼女が記す「日本一長い遺書」の重み

大量吐血の後、余命2カ月でつづった覚悟のブログ

突きつけられる厳しい現実に苦痛が鋭さを増して襲いかかる。そこに今回から参加した家裁調査官(※紛糾している調停が円滑に進むように調査や説明などを行う家庭裁判所所属の総合職)の無神経な質問が追い打ちをかける。

「いつ頃まで生きていられるご予定なんです? だいたいお医者様から言われてません?たとえば…余命とか。」
「収入もないんでしょ? どうするつもりなんですか?」
「鬱病治ったって言ってますけど、今ひょっとしてカウンセリングとか受けてるんじゃないんですか? 薬もらったりとか」
「具合悪くなって何回も入退院繰り返してるみたいですけど、子育てできませんよねそんなんじゃ」
「もし死んだら、誰が息子さんの面倒見ることになるんですか?」
「元旦那さんの話では、今日も入院してるなか外出で来られてるそうですけど…いつまで入院してるんですか」
(『日本一長い遺書』ある日の日記より)

冒頭に挙げた日記はそれから1週間経った頃ににアップされた。いまの自分がどうすることもできない問題が多くあり、それに納得できないまま、社会的や精神的、あるいはスピリチュアルな苦痛に苛まれている。その苦しさを世の中に問うている。「なんで私が」「なんで私ばかりが」――。

少し長めに再引用したい。

誰にも何にも頼れない孤独

自分がガンになったことを告げても、保険金のことしか話さない母のいる気持ちを、知っていますか。
自分がガンになったことを知って、私名義のマンションから立ち退き要求の調停を起こす元夫がいる気持ちを、知っていますか。
術後2週間で退院し、食事づくりから掃除洗濯まで、身の回りのことを全て自分でしなければならない気持ちを、知っていますか。
術後1カ月で、仕事に復帰して自分の生計をたてなければならない気持ちを、知っていますか。
入院、検査、投薬で、毎月かかる医療費がいったいいくらなのか、知っていますか。
そんな私に、子供の親権は絶対に渡さない、と言う元夫がいる気持ちを、知っていますか。
マンションから出て行かないのなら、二度と子供には会わせないという条件を出される気持ちを、知っていますか。
生涯
誰にも 何にも
頼ることができない孤独を 知っていますか
みじめに 誰にも看取られずに死ぬ気持ちを
知っていますか
(『日本一長い遺書』ある日の日記より)
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