まず、好調企業の相関性だ。ここでは「風通しの良さ」「20代成長環境」「社員の士気」のスコアが高いと、翌期の「ROA」はさらに上昇する傾向にあった。
逆に、「人材の長期育成」のスコアが高いと、翌期の「売上高成長率」「営業利益率」「ROA」が悪化する逆相関の傾向が見られている。
また、詳細は割愛するが「主成分分析」という分析手法を活用して、より傾向を明確にして見たところ、プロフェッショナル型の組織(「有給休暇消化率」「待遇面の満足度」「人事評価の適正感」が総じて高く、「社員の相互尊重」「人材の長期育成」が低い)では、翌期の「営業利益率」「ROA」が高くなりやすいという結果が得られた。
好調企業の中から、「風通しの良さ」「20代成長環境」「社員の士気」のスコアが高く、さらに翌期の「ROA」も高くなっていた会社のクチコミを紹介したいと思う。なお、ここで掲載しているクチコミはすべて一部抜粋・投稿者の意図を変えない範囲で要約している。
周りに優秀な人多く、自力でキャッチアップ
「企業理念として『感情報酬』を掲げている。社員全体にその意識が浸透しており、一般的に優秀とされる人材が多いと思う。朝会で毎日コミュニケーションを取ったり、四半期に1度の合宿などで感謝の気持ちを伝えあったりする機会も設けている」(アカツキ、総合職、在籍3年未満)
「新人に手取り足取り教える文化はなく、基本的に自力でキャッチアップしていくしかないが、周りに優秀な人が多く、仕事を個人に任せていくので、成長できる環境だと思う。また、新しい試みがどんどん生まれてきているので、手を挙げればやらせてもらえる業務の範囲は広い」(エムスリー、マーケティング、在籍3年未満)
好調企業においては、その勢いをさらに加速させるためにも、「業務や組織の分化を進め、年功序列のない風通しの良い組織」をつくることや、「既存事業だけでなく新事業への着手、またその新事業立ち上げを推進する士気の高い人材確保」が、業績好調を維持することにつながっていると考察をした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら