社員のクチコミと企業業績・株価との深い関係 「体質」「古い」「年功序列」は業績悪化のサイン?

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社員の会社に対する評価は業績や株価にも関連性が指摘されている (写真:saki/PIXTA)

AIにより社員クチコミをより深く分析して、業績や株価の予測に活用できないか――。

2020年12月9日の配信記事「業績が良くなる会社に共通する『クチコミ』とは」では、定量的なクチコミデータを用いて、業績がよくなる企業の傾向をお伝えした。業績好調企業と低迷企業とでは、その後業績を伸ばすために必要な組織像は異なることがわかった。

今回はさらに踏み込んだ分析をしている興味深い研究を紹介したいと思う。

紹介する研究は、2018年度に証券アナリストジャーナル賞を受賞した『従業員口コミを用いた企業の組織文化と業績パフォーマンスとの関係』(日本証券アナリスト協会2018、クレジット・プライシング・コーポレーション 西家宏典氏、同志社大学理工学部教授 津田博史氏)という論文だ。本研究では、社員クチコミをテキストマイニング・AIによって定量化した「組織文化スコア」と、企業財務および株式パフォーマンスとの関係を明らかにしている。

社員クチコミ文章と業績をAIによって分析

ちなみに、海外ではすでに会社クチコミサイトの評価情報と会社業績との連関性を証明した研究が進んでいる。社員クチコミから導き出される従業員満足度がROA(総資産利益率)や超過リターン、法定開示における訴訟リスクと関係があることが報告されている。

日本国内で、しかもクチコミ文章からテキストマイニングとAIによって業績パフォーマンスとの関係を分析した研究はいまだ前例がなく、読者の皆様にとっても投資や職選びの際に役立つ情報になっていると思い、噛み砕いて紹介したいと思う。

紹介する研究では、当社が運営している社員クチコミ・転職就職サイト「OpenWork」上にある社員クチコミ文章を活用している。OpenWorkには、1000万件以上の社員クチコミや会社評価スコア、残業時間、有給休暇消化率を掲載している。

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