「長く勤めて、高給取り」古参幹部をどうすべきか 新たな組織作りを阻む障壁の乗り越え方を指南

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長く勤めているだけの古参の社員たちの給料が高いのは、日本全体の課題です(写真:metamorworks/PIXTA)
組織作りは単に優秀な人材ばかり集めればいいわけではありません。社員が経営者の言うことを聞く気持ちがなければ会社は成り立ちませんし、表面的には指示に従っていても心にしこりがあればパフォーマンスは落ちてしまいます。
大手・中堅・中小企業約500社に対してコンサルティングを行い外部講演100回以上、研修講師400回以上という実績を持つ加賀隼人氏の『後継社長力』から、組織づくりのために必要なステップと作った組織を実際に動かすステップを、3回にわたって紹介します(第1回)。

組織をリノベーションする

経営戦略として、マネジメントを担当する人材、それを管理する人材、さらにサポートする人材など、組織で業務を円滑に進めるために、会社における指揮系統をひと目でわかるようにして、部署ごとの編成や部署同士の相互関係を明確にしなければ、組織は動かないものです。

もちろん、これまで続けてきた組織をすべて一から作り直すというわけではなく、あくまでもリノベーション、もしくはリフォームする形で作り変えていきますが、組織としての機能的な部分だけでなく、決済や責任なども含めて役割を明確にしていく必要があるわけです。

従来の組織を大きく見直す場合、それによって不利益を被る既存の社員や役員は反発します。

例えば、これまでピラミッド組織だったものをフラット組織に変えようとしたら、それによって多くの役職が撤廃されます。実際に肩書を失うことになる側の多くは、組織改革に反発をするでしょう。それでも、新しい組織というのは作為的に実行していかないと作ることはできないのです。

従来の組織を大きく見直し、新たな組織を作っていこうとしたときには、多くの課題が出てきます。そのひとつが古参の幹部が言う事を聞かないということです。

長くひとつの環境でやってきた古参幹部が、新しい体制に適応できないことは多いものです。こり固まった価値観を変えるのは年齢的にも難しく、自分より若い経営者に従うのは心理的にも拒否反応を示してしまいます。

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