部下の生産性下げる「感情的な上司」がマズい訳 「忖度はびこる組織」を作らない大事なコツ

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なぜ上司は「感情的」になってはいけないのか? (写真:horiphoto/PIXTA)
「感情的な上司」は部下の疲弊や、チームのパフォーマンス低下を招きかねない。そうしたリスクを避けるために、どう対処すればいいのか? 組織改革のプロとして25年以上活躍する作佐部孝哉氏による『ミドルマネジメントの正解:不確実な時代を乗り越えるための5つのアップデート』より一部抜粋・再構成してお届けする。

チームやメンバーの働く環境には気をつかっていても、肝心要の自分自身の働き方がおろそかではいけません。チームの要であるあなたが疲労困憊し、感情の起伏が激しく、判断や言動がぶれているようではチームのパフォーマンスも上がらないからです。

リーダーたるもの、何があっても過度に一喜一憂しないようにしておきたいもの。GLAYのリーダー・TAKUROさんが「自分が尊敬しているリーダーたちは、みんな感情のムラがない」という話をされていたのを聞いて、なるほどと感じたことがありました。

「感情のムラがある人」ほどリーダーに不向き

「なぜ感情のムラがないことが重要なのか」という問いに、「それは自分の気分や感情を一方的に押しつけないことが相手への何よりのリスペクトだからです。それは、家族に対しても同じ」と答えられたからです。確かにそうかもしれません。

日々想定外のことが起きる中で、感情を一喜一憂させていては本人が疲れるだけでなく、その指示に従うメンバーも右往左往することになるからです。最悪の場合、いつもリーダーの顔色をうかがい忖度(そんたく)して動くようにもなりかねません。チームを預かるリーダーにとって、「いつ会っても同じ」という安定感は重要なのです。

では、ストレスが多い会社生活の中で、どうすれば安定したメンタルを維持できるでしょうか。ポイントは「自分で自分の機嫌をとる方法」をいくつか用意しておくことです。

まず物事にはすべて陰と陽(裏と表)が存在すると理解しておくと、イライラが減ります。人間万事塞翁が馬と言われるように、どんなに悪い出来事でも見方によってはいいこともあります。

例えば、車を運転しているときに、誰かに追突されたら、「いい加減にしろ」と思うはずです。ただ、少し見方を変えれば、追突してきたのが大型トラックでなくてよかったとか、自分が追突するほうでなくてよかったと考えることができるかもしれません。

会社でも同じです。例えば、クライアントと相性が悪く、ほかのプロジェクトへ移されたとしても、そこで今まで自分では気づかなかった適性を見いだし、新しいキャリアが開けることもあります。

一方で、外されたことで腐ってしまい、周りに当たったり仕事に身が入らなかったりすると、その先の結果は火を見るより明らかです。

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