部下の生産性下げる「感情的な上司」がマズい訳 「忖度はびこる組織」を作らない大事なコツ

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世の中、起きた出来事というのは、その時点では陰でもあり、陽でもあります。結果的によくするか、悪くするかは、その後どう行動していくかにかかっているのです。しかも、その出来事を評価できるのは10年後、20年後といった将来からでしかないと知っておけば、一喜一憂せずにすむはずです。

人間関係においても同様です。「人にはつねに陰と陽の側面がある」と理解しておけば「裏切られた」と人間不信に陥ることなく、心穏やかに仕事を続けていけるようになるはずです。

もうひとつ、メンタルを安定させるうえでネガティブな感情を押し潰さないことも大切です。本当は悲しかったり、いらだったり、嫉妬の気持ちを感じているのに、「人の上に立つ者として、そういう感情を抱いてはいけない」と無理に押し潰していると、気づかないうちに心を蝕み、爆発してしまうことがあるからです。

感情が存在している目的は、ただ感情を感じるためです。自分1人のときでも構いません。つらいときは「つらいなぁ」と口に出し、腹が立ったら「むかつくなぁ、嫌になるな」とつぶやくと少し気持ちが浄化されるはずです。自分がどういう気持ちでいるのか、あえて紙に書き起こすのにも同じ浄化効果があります。

ポジティブ・シンキングの罠

一方で、最近もてはやされるポジティブ・シンキングは過度にやりすぎると危険です。陽への執着が、「陽」でないことへの恐れや、「陰」を受容できなくなる状況を生み出すからです。すると、想定外のネガティブな出来事に遭遇したときに、「そんなはずはない」と事実を受け入れることができずに自分をだまし続け、そのあとの改善に移ることが難しくなります。

リーダーは、起きた出来事や、その時々で持つ感情をまずは素直に受け入れつつ、時に右に左にかたむきながらも、最後は「心のやじろべえ」をバランスさせることを意識しましょう。感情を感じ尽くし、味わっていくという心構えです。

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