しきたりに頼らずに、生前に自ら意思表示を

『葬式は、要らない』を書いた島田裕巳氏に聞く


--戒名をあの世での名前と思っている人もいるとか。

日本の「名前の文化」というものがあるから、そういう発想になる。仏教界にとって戒名は問題点だと思っている。

仏弟子になった証しとか言っているが、死んでからもランクがあるというのはヘンではないか。現世の価値、身分秩序を来世に持ち込む、いかがなものかと思う。

--葬式は、どこに向かっているのでしょうか。

死はいきなり来るが、それに至る過程はずっとある。社会から引退し、余生があり、病気をしたり、と。それは家族と話し合う期間といっていい。そこで意思を形成しておく。

生前契約とか、そこまで、やらなければいけない人もいるかもしれないが、一般には残される人たちに対して自分はこういうものを望むと示しておく。お任せなのか、ここだけは譲れないのか、話しておく。

しきたりの世界ではなくて、個人化したらどうか。故人の希望となれば、家族だって尊重する。今の時代はしきたりに頼れるわけではなく、自分でやっていかなければならない。

(聞き手:塚田紀史 =週刊東洋経済)

しまだ・ひろみ
1953年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授を経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。著書に『日本の10大新宗教』『平成宗教20年史』『創価学会』『無宗教こそ日本人の宗教である』など。

『葬式は、要らない』 幻冬舎新書 777円

 

  

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