●地頭のよい学生は圧倒的に減っている!
|
|
非常にはっきりとした傾向が出た。「地頭のよい学生が多い」が3%に対して、「少ない」がなんと50%にも達していたのだ。この背景にあるものは何だろうか。
企業の求人総数は91年卒が約84万人、08年卒が約93万人と約11%増えている。一方、就職を志望する大学生の数は91年卒が約29万人に対して、08年卒が約44万人と約52%も増えている。求人総数は08年卒のほうが多いのだが、大学生の母数がそれ以上に増えたため、求人倍率はバブル期の方が高い。
ところが、人口は少子化の影響で激減しており、91年に22歳に達する出生人口は189万人、08年のそれは138万人と、約73%に減少している。適齢人口は大幅に減っている(73%)のに大学生は大幅に増えている(152%)のは、進学率が大幅に上がったためだ。今や大学全入時代(大学定員数が受験者を上回る)となり、誰でも大学生になれる時代となったと言える。
仮に人口における優秀者の確率が一定だとする。人口が少子化で減っているわけだから優秀人材の絶対数も減ることになる。ところが大学生の数は大きく増えており、単純計算すると現在優秀な大学生に出会える確率は、(73%÷152%=)約48%と、バブル期の2分の1の確率になるわけだ。もちろん教育により優秀者の出現確率を高めることもできるだろうが、日本はこの間ゆとり教育の方針を採り、学力低下が問題視されるような逆の状況になっている。
大学生のレベル低下を企業が感じるのには、こういったことが一因として考えられるだろう。
●企業は面接でどのような質問から「地頭のよさ」を見極めるのか
|
|
「過去の体験」からが最も高く全体の59%、次いで「自己PR」(同42%)、3位が「志望動機」(同27%)となっている。これらはすべて一般的な面接で行われることであり、先に述べた広義の「地頭のよさ」を見るものと言えよう。一方、狭義のそれを見るための「クイズ問題」は4%と少数派である。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら