理系大学院生が内定企業への入社を決める瞬間 社員のコミュニケーション力が志望度を高める

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「HP等からの情報収集」によって志望を固めた学生は、当たり前の事ながら各種データを調べて比較し、優劣を測っている。単語で目立つのは「安定性」「バランス」「規模」だ。

多分、社風は社員紹介ページを読んでいるのだろうが、成長性などは数値データで判断せざるをえないだろう。したがって、企業はデータの検証しやすさを工夫し、自社の強みとするデータについては理解しやすくする工夫が大事だろうと思う。

「企業選びをしていくうえでの安定性」(千葉大学大学院・電気・電子)

「給与、福利厚生、勤務地、業務内容等のバランスがよかった」(千葉大学大学院・化学)

「さまざまな製品を作っているため安定性が高そうだった」(早稲田大学大学院・化学)

「業界での規模の大きさや、事業内容に関して詳しく知ることができ、志望が高まった」(大阪大学大学院・化学)

「企業HPが最も内容が充実しており、説明会などと比べても志望業界の企業をじっくりと比較できた」(東京大学大学院・生物・農)

内定後のフォローも重要

新卒採用スケジュールは、サマーインターンシップに始まり、3月の広報開始(実質的な選考も開始)、6月の選考開始(今や内々定出しの日という意味合いが強い)だが、「内定出し」以降も「内定辞退」に対する対策が重要だ。それが「内定後のフォロー」だ。

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学生コメントを読むと、どのようなフォローをしているのかがわかる。

「リクルーターがどんな質問にも答えてくれた」(岐阜大学大学院・生物・農)

「スピード感」(京都大学大学院・エネルギー)

「コロナの影響がある中で自分に対するサポート姿勢が変わらず手厚かった」(埼玉大学大学院・物理・数学)

「来てほしいという意思も十分に伝わってきたが、それ以上に自分の進路について親身に考えてくれた」(静岡大学大学院・機械)

「これでもかというほど丁寧な対応だった」(早稲田大学大学院・化学)

学生の疑問・質問に真摯に向き合い、スピーディーに丁寧に応対し、「来てもらいたい」という熱意を伝えること。つまりコミュニケーションの基本を守るということだろう。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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