37歳「麻雀プロ」最強に上り詰めた男の快活人生 サラリーマンを辞め、好きを究める道を選んだ

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認知症の防止になるという研究結果も出されており、昔麻雀をしていた老人が再び健康麻雀を始めるケースも多い。

「40年の麻雀店の歴史を見ると、店舗数は5分の1以下になっています。1980年台には3万軒あった店舗が、現在では実質5000軒と言われています。現在も減少し続けている、かなり厳しい状況ですね」

繁華街を歩いていて、麻雀店を見かけることは確かに減った。これはやはり、娯楽の多様化が大きいだろう。40年でコンピューターゲームをはじめとして、さまざまな娯楽が普及した。

大学生の娯楽と言えば麻雀という時代は、はるか昔だ。

「Mリーグ」やアベマTVの麻雀番組のおかげで、わずかながら回復してきた麻雀店だったが、ここで思いもよらぬ障害が発生した。

コロナの大ダメージを越えて

新型コロナウイルスである。

「大ダメージでした。麻雀店って、3密的にはものすごく印象が悪いですから。集客はグッと減りました。仲良くしていた人の店も潰れています。話を聞くと胸が痛いですね」

今後どのような展開になっていくかはまだわからないが、新たにテコ入れや努力が必要になってくるのは間違いないだろう。

ただ、金さんはそれでも、麻雀文化はなくならないのではないか?と気楽に考えている部分もある。

「麻雀は本当に面白いゲームです。運と技術のバランスがとてもいい。4人で会話しながらやりますから、コミュニケーションツールとしても抜群に優れています。これだけ面白いゲームがなくなることはまずないだろう、と思ったので人生をかけました」

今後、麻雀を取り巻く文化がどのように変化していくかは完全には読めない。今はMリーグが人気だが、これがずっとメインストリームになるかはわからない。

また少額の賭けが合法化されて麻雀店が盛り上がる、という可能性もある。TOTOくじのように、麻雀リーガーに投票する公営ギャンブルが登場するかもしれないという噂もある。

「これからもいろいろな変化があると思います。ただ時代がどのように変化していったとしても、私自身が、麻雀界の中心で生きていけるよう頑張りたいと思っています」

と金さんは話を締めた。

状況は明るい話ばかりではなかったが、

「麻雀で生きていく」

と決めた男はとても潔く、堂々としていた。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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