37歳「麻雀プロ」最強に上り詰めた男の快活人生 サラリーマンを辞め、好きを究める道を選んだ

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20代では取れなかった雀王の称号だが、2017年にやっと取ることができた。ただし、30代初めでの獲得は決して遅くはない。

「とにかくめちゃくちゃうれしかったですよ。ようやく取れたって。自分の中ではタイトルを取るまでに、思っていたより時間がかかってしまったなという感じでした」

雀王をとってからは、仕事が変わってきた。

他団体との交流戦などに出場することができるようになる。その1つが、「麻雀最強戦」だった。そして「麻雀最強位」も獲得した。

金さんの快進撃が進む中、麻雀界そのものが徐々に華々しくなってきた。

まずアベマTVが始まり、麻雀の番組が放送されてプロが注目されるようになってきた。人によっては、アイドルのように女性ファンがついた。

「昔は、麻雀プロのファンって、自身も麻雀が強い人が多かったんですが、今はそんなことはなくなりました。麻雀のことはあんまりわからないけど、番組は見てるって人が増えました」

「Mリーグ」発足という激震

そして麻雀界でいちばんの激震だったのは、2018年の「Mリーグ」の発足だった。団体の垣根を超えて優勝を争うスポーツ大会だ。

優勝賞金は5000万円と、今までの賞金とは桁が違った。そして選手には年収400万円が保証された。ただし、その代わり賭博行為は固く禁じられている。

まだ始まって間もない「Mリーグ」だが、金さんは「このままいけば麻雀界のど真ん中になるのではないか?」と思っている。

「『Mリーグ』に出場するには、腕前だけではなくタレント性も非常に大事です。私がいつか出場できるのかはわかりませんが、『Mリーグ』のスタンスはぜひ応援したいと思っています。

麻雀プロやMリーガーに憧れる子どもたちもどんどん出てきてほしいですね。現在は麻雀店は風営法の管理化なので、18歳未満は入場できません。ただ、今後法改正があって子どもでも入れる健康な麻雀店が作れたらいいなと思います。学校に将棋部や囲碁部があるように、麻雀部があってもいいと思うんです」

「Mリーグ」の影響で健康麻雀店も増え、業界全体で盛り上がってきていた。

昔は、

「麻雀をするなら、お金を賭けなければつまらない」

と言っていた人たちも、

「お金を賭けなくても、十分面白いね」

と健康麻雀店を訪れることが増えたという。

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