大坂なおみを批判する人に知ってもらいたい事 「多様性」の問題は日本人とは全く無縁ではない

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これは日本にとって新たな可能性を示唆している。日本はアメリカが400年以上かけて実現できなかったことを実現できる国になる可能性がある。自国の多様性を搾取するのではなく、多様性を受け入れる国になるという道だ。

生態系保護や環境問題への意識を高めてきたのと同じように、多様性への寛容さを高める機会が今訪れている。環境問題などへの意識は最初から、あるいは自然発生的に生まれたわけではない。日本政府の支援を含めた官民一体の取り組みがあったからこそ芽生えたものだ。多様性についても同じことがいえる。今やらなければ、日本も失敗の道をたどることになるだろう。

大坂はこれからも声を上げ続ける

大坂は、こうした取り組みに喜び勇んで協力することをすでに表明している。

「私のような外見をして日本に住んでいるすべての日本人の皆さん、そしてたとえそれが何気のない差別(マイクロアグレッション)ではあったとしても、レストランに入ると英語メニューを渡されてしまうような皆さんに、機会を提供したい」。最近のインタビューでこう語ったように、こうしたメッセージを広めるのに喜んで力を貸すだろう。

もし、大坂の行動を支持せず、BLMが日本とは無関係であり、大阪に沈黙してほしいと思うのなら心にとめてほしい。彼女はこれからも声を上げ続けるし、圧力にも屈しないと。アスリートは政治発言を控えるべきという認識を大坂は持っていない。一方で日本社会にいい影響を与えようと決意している。最近の彼女の発言や行動を見れば、これは明らかだ。

さらには黒人女性として、デリケートな問題で明らかに矢面に立っている。それに家族や友人が巻き込まれ、全員がリスクにさらされている。世界中で黒人が暮らし、人種差別に反対する多くの白人から応援され、世間の注目を集め、メディアの取材が殺到する中、大坂は人種差別問題を解決の方向に導く絶好のチャンスを手にしているのだ。

日本の皆さん、彼女ならやりかねない。彼女は必ず勝つことを目指す。頭がよく、機知に富み、情熱的で、実績豊富な世界レベルのアクティビスタなのだから!

大坂と同じ思いを抱く心ある人は、日本にも間違いなくいるだろう。だから、耳を傾けてほしい。確かに大坂の行動は「普通」ではなかったかもしれない。今回の積極的な行動を通じて、日本に立ち止まることを求め、今後どういった方向に進むのかを考えるよう強く迫ったも同然だからだ。

日本社会が人種差別と決別し、肌の色ではなく本質のみで人間を判断できるようになるのか。それとも、これまでと変わりなく、(作り話も含めた)伝統的な価値観に依存して、延々と独特の例外主義に縛られた状態にあり続けるのか。それもほんの始まりに過ぎない。

だからなおみ、ありがとう!(敬称略)

バイエ・マクニール 作家

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Baye McNeil

2004年来日。作家として日本での生活に関して2作品上梓したほか、ジャパン・タイムズ紙のコラムニストとして、日本に住むアフリカ系の人々の生活について執筆。また、日本における人種や多様化問題についての講演やワークショップも行っている。ジャズと映画、そしてラーメンをこよなく愛する。現在、第1作を翻訳中。

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