大学入試「英語4技能検定」から考える受験戦略

受検のメリットと攻略を握るカギとは

こうした事態に備え、英検に合格しておけば、GTECのスコアを持っておけば、それらを併願校のスコアに換算し、受験の負荷を減らすことができます。その分、本命校の入試に注力し、合格可能性を高められるでしょう。

また、国公立でも外部検定試験のスコアを1次試験の英語のスコアに代替できる大学があります。一発勝負の共通テストでの「不測の事態」に備えた「保険」の役割も外部試験は果たしうるのです。

このように、戦略的に受験を突破するには、突破のための手段を多く持っておくことが必要です。外部検定試験はその手段の1つになりえます。受験戦略上、選択肢を多く持っておくことは、決して損にはなりません。

スピーキングに対する大いなる誤解

じゃあ、外部検定試験をどんどん受けよう!と思う受験生に立ちはだかる大きな山の1つが「スピーキング」です。この技能が苦手だという受験生はとても多いのですが、その背景には日本人の多くが抱いている、ある「2つの誤解」があります。

1つ目は「高いスピーキング能力=ペラペラ英語を話すこと」という誤解です。大学入試で求められるスピーキングの力は「アカデミックな文脈での言語運用の素地となる力」であり決して「英会話の力」のみではありません。

例えば、TEAPでは出題の前半はカジュアルな会話やインタビュー(質疑応答)のようないわゆる「英会話」の力で太刀打ちできる内容ですが、後半からはスピーチができるか、社会的なトピックについて論理的に話せるかが問われる内容となっていきます。

当然、後半を攻略しないと前述の大学入試で使えるスコアは得られませんが、そのためには「英会話」を超えた力が必要になります。つまり、「外国人と軽やかに会話する力」でなく「社会的な文脈で論理的に自分の意見を伝えたり、議論したりできる力」が求められているのです。そしてそれこそが大学が求める「入学してくる学生に身につけておいてほしい英語力」なのです。

この、B2レベルに該当するスピーキングの力はどう身につければいいのでしょうか。この問いこそが「2つ目の誤解」をはらんでいます。2つ目の誤解とは「スピーキングの力が単独で成立する技能である」というものです。

スピーキングは単独で成立する技能ではありません。そもそも英語4技能の4つの力(読む/聞く/話す/書く)は相互に結びついているものです。

例えば、スピーキングと非常に強い結びつきがある技能として「リスニング」が挙げられます。「聞けない音は話せるはずがない」と言われればそれは当然だと思われる方は多いでしょうが、実際にスピーキングが苦手だといって悩んでいる受験生の多くはリスニングも苦手であることがほとんどです。

また、英語で話す以前の問題で、「話すべき内容について知見が不足している」ということも多々あります。例えば、環境問題の議論をする際に、環境問題について何の知識もなしに話せるはずがありません。普段からニュースやSNSにアンテナを張り、社会的なテーマについて自分の意見をもっておくことが大切なのは当然ですが、本来はこうした知識は「リーディング」で蓄えておかなくてはならないわけです。

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