池上彰×佐藤優「2020年教育改革で起きること」

アクティブ・ラーニングはエリート教育か?

「アクティブ・ラーニング」によって日本の教育はどう変わっていくのか? 池上彰氏(左)と佐藤優氏(右)が、日本の教育改革の実態に鋭く切り込む(写真提供:中央公論新社)
2020年度、教育現場には「新学習指導要領」が導入され、新たな「大学入学共通テスト」の実施が始まる。なぜ今、日本の教育は大改革を迫られているのか。今回の教育改革の目玉の1つ「アクティブ・ラーニング」とは何か。
自ら教壇に立ち、教育問題を取材し続けるジャーナリストの池上彰氏と、「主体的な学び」を体現する作家・佐藤優氏が、日本の教育の問題点と新たな教育改革の意味を解き明かす。

アクティブ・ラーニングとは何か

池上彰(以下、池上):新たな学習指導要領が、2020年度からの小学校に続き、中学、高校と順次適用されていきます。そこには、「何を学ぶか」「何ができるようになるか」とともに、「どのように学ぶか」という指針が明示されています。それが「アクティブ・ラーニング」なんですね。

佐藤優(以下、佐藤):「学び方」そのものに着目したところが、大きなポイントです。

池上:文部科学省がアクティブ・ラーニングを「主体的・対話的で深い学び」というふうに「改題」したことはすでに述べましたが、そこに今回の改革が想定する3つの視点が集約されています。

「主体的な学び」とは、学ぶことに興味、関心を持ち、見通しを持って粘り強く取り組み、学習活動を振り返りつつ次につなげていくこと。「対話的な学び」は、教師が一方的に教えるだけではなく、生徒が先生やほかの生徒、あるいは地域の人たちなどとの対話や協働などを通じて理解を深め、思考力を高めていくこと。

そして「深い学び」は、習得・活用・発見という学びの過程の中で、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりする力を養うこと――。大まかに言うと、そのように説明されています。

佐藤:そうした新しい学び方を本格的に採用しようという考えの根底にあるのは、とくに高校の授業が知識伝達型にとどまっていることに対する危機感です。卒業後の大学での勉強や、社会に出てからの生活に役立つものになっていないのではないか、と。

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