大学入試「英語4技能検定」から考える受験戦略 受検のメリットと攻略を握るカギとは
このように、受験で評価を受けるスピーキング能力は「ノリ」や「勢い」でなんとかなるようなものではなく、しっかりとした「計画」や「戦略」によって獲得できるものだという認識が必要です。
スピーキングは無理だと悩む前に、まず、これらの誤解を解き、その受験生にとって何が課題なのかを明確にすることが重要なのです。
「検定試験のための勉強」を超えるには
ここまで「検定試験の結果がもたらすメリット」も含めお話ししてきましたが、その「結果」だけを追い求め、検定試験を一過性の、付け焼刃で対策するものと考えるのは非常に危険です。それどころか、その考え方は英語の学習プロセスそのものをとても「非効率的」なものにしてしまう可能性さえあります。
「大学側が求めている英語力」と「検定試験でいいスコアを取るための力」はすべて同じ「英語力」なのです。そして、その力の獲得プロセスは、その先の人生のためにどんな英語力を身につけていくべきか、に真っすぐつながっています。
多くの高校では、学校単位で検定試験を半ば強制的に受検させています。講師としてそうした高校生を指導していると、彼らは「その検定試験を受けることの意味」を見出せていないと感じることが多々あります。彼らにとって英語というものが「受験」と「受検」と「学校」の3つに、バラバラに認識されてしまっているのです。
そうした状況を打破したいという思いから、今年8月に出版となった拙書ではこの3つをつなげることをコンセプトとしました。検定試験は受験戦略上も大切ですが、それ以上に日々の学習、そして自分が将来身につけるべき英語力のバロメーターとして大切なのです。
前述のどおり、今の検定試験はCEFRとひもづいていますので、自分の英語力がどのレベルなのかを認識する助けになりえます。また、当然、試験である以上、正解・不正解があり、それによって自分の不得手な項目を可視化し、課題克服に向けることができるわけです。
このように、「検定試験の勉強をする」ではなく「検定試験で勉強をする」意識を持ち、将来につながる英語力を鍛える機会とできることが重要なのです。言語力の向上は、活動範囲の拡大を意味します。「やらざるをえない検定試験」も学習段階から意識を変えて取り組めば、未来の活動範囲を広げるチャンスに変わるのです。
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