彼岸、無、来世「故人」が書き残した本気の死後観

死と向き合った彼らはネットに言葉を連ねた

もう1つ、日本人は不可知論者的な立場で死後のことを捉える人が多いことも挙げられる。

(出典:世界価値観調査(Wave 7)の「Q166 死後の人生はあるか」の結果)

冒頭の「日本人の国民性調査」とは少し異なる結果となるが、各国の大学や研究機関が参加して、5年ごとに世界各国の価値観を調査している「世界価値観調査」(WVS、World Values Survey)のレポートが興味深い。最新のWave 7(2017~2020年調査)は80の国と地域が対象となっている。

これによると、「死後の人生はあるか」という問いに対して、日本は「はい」が32.2%、「いいえ」が34.7%、「わからない」が32.6%と、ほぼ3等分となっている。世界平均は「はい」が53.9%、「いいえ」が37.3%、「わからない」が7.6%で、「わからない」が30%を超えているのは日本だけだ。

多種多様な死後世界の模索につながる側面も

死後の世界の有無を確信している人の割合は少なめだが、わからない=不可知の立場で結論を保留している人が多い。そうした国民性が多種多様な死後世界の模索につながるところも多分にあるように思える。

死んでみないとわからない。この立場での言及は、腸が正常に機能しない慢性特発性偽性腸閉塞症(CIIPS)を患った20代の女性Gさんのブログが脳裏に焼き付いている。2012年の夏、移植した小腸の拒絶反応に苦しみながら、Gさんは壮絶な最期の文章を残した。

「早く天国に行きたい。

地獄でもいいから生きたい。

生きてることに疲れた。

22年間でいいことっていくつくらいあった?

きっと指で数えられるくらいしかないでしょうね。

悪いことなら数えられないほどあるのに…

みんなはどうですか?

本当に死んだらどこにいくんだろう。

試してみたいね。

ククク

死」

故人はお盆に帰ってくるかもしれないし、故郷で見守ってくれているかもしれない。来世に転生して別のどこかで幸せに暮らしているかもしれないし、万物とひとつになっているかもしれない。いつか復活を遂げて天国に行くかもしれないし、知り合いや遺志を継いだ誰かの心の中に生き続けるかもしれない。あるいは、なにもないかもしれない。

いずれの可能性も否定せず、おのおのの考えを尊重したうえで、自分なりに死後について考える。故人のサイトがそのきっかけを与えてくれるかもしれない。

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