日本が病気の予防を軽視してきた根本的な事情

エビデンスに基づいた政策立案が今こそ必要だ

佐藤啓・自民党参議院議員(左)と津川友介UCLA助教授(撮影:今井 康一)
わが国の歳出の約3分の1を占める「社会保障」。これまで行われてきた「社会保障」に関する政策的な議論といえば、「給付を減らす」か「負担を増やす」の二者択一に陥ってしまう傾向があった。しかし、本当にそれしかないのか。そんな中で立ち上がった「明るい社会保障改革推進議員連盟」。「給付削減か負担拡大か」――国民にその選択を迫らずに改革はできるのか。
「明るい社会保障改革推進議員連盟」アドバイザーという中立な立場から、主要メンバーと識者との対談を全5回で企画。4回目は同議連の事務局長を務める佐藤啓・自民党参議院議員と、津川友介・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部・医療政策学部 助教授が、国民の病気の予防や健康づくりにおいて不足している「エビデンス(科学的根拠や証拠、裏付けなど)」の考え方などについて徹底的に議論した。(取材はZoomで2020年7月22日に実施)

若い議員の間にある危機感

津川 友介(以下、津川):津川 友介(以下、津川):国の政策のアジェンダの中では一般的に経済政策がトップで、医療費や年金などのいわゆる社会保障の問題は2番手以降になる傾向があると言われています。さらに、社会保障の問題は暗い話題になることも多く、高齢者の反発を買うことも多いので難しい問題だと思います。そのような中で今回、佐藤さんが社会保障を課題にしようと思われたきっかけをお聞かせください。

佐藤啓(以下、佐藤):若い世代の自民党国会議員には、現役・将来世代にとって社会保障改革が非常に重要であるという共通意識があります。社会保障制度というのは支え合いの仕組みです。日本の場合は、現役世代がシニアの世代を支える「賦課方式」という仕組みとなっています。今後、われわれ、またわれわれの子供や孫世代にとって、大きな負担がかかっていくことが考えられるため、社会保障制度を持続可能にする必要があると強く感じていました。

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津川:今、自民党の定年制などが問題になっていますが、社会保障に関しても若い世代と上の世代で考え方はだいぶ違うのではないかと思います。同じような世代間の違いは、国会議員の中でもあるのではないでしょうか?

佐藤:自民党の国会議員の平均年齢は、おそらく60歳弱ぐらいではないかと思います。そのため、30~40代の世代と、60歳を超えるような世代とでは、社会保障制度だけではなく、さまざまな面で相当な世代間の考え方の違いがあります。

津川:社会保障は、「世代を超えて、誰が負担して誰が給付を受けるのか」という議論です。医療や年金は、給付を受けるのは高齢者中心のため、若い世代の中には不公平感を感じている人も多いと思います。

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