コロナ対策、持続可能な体制が必要
近藤 尚己(以下、近藤):新型コロナウイルスの新規感染者数(検査陽性者数)は7月後半以降、全国で1日1000人を上回る日が続き、国民の間で緊張感が高まっています。
加藤 勝信(以下、加藤): 4月前半をピークとした第1波よりも、新規感染者数の水準は高くなってきています。ただ、年代別に見ると第1波は60代以上の感染者が多かったのに対し、今回は60代以下、特に20代・30代の感染者が多く、重症者の発生数も低い水準に収まっています。また、前回の経験を踏まえて各地域で感染拡大に備えた医療提供体制が敷かれています。
しかし、空き病床の数字だけに着目すると、実態を見誤る場合があります。病床が使えても、そこに人を充てなければ医療サービスは提供できないからです。今後さらに感染者が増えていくことを想定した病床の確保も必要になってきます。長期間にわたり感染症の対応をしている医療従事者の皆さんが、強いプレッシャーの中で頑張っていることを十分考えながら、持続可能な体制を敷いていく必要があります。
近藤:とはいえ、今回の新規感染者の増大に対して、第1波の時のような緊急事態宣言の発令などによって国民に自粛を促して積極的に抑え込むのか、それとも経済活動を優先するのかなど、具体的な方針が政府からの明確なメッセージとして国民に伝わっていないように感じます。
加藤:政府の発信内容がわかりづらく、「どっちに向かっているのかわからない」という指摘も頂いていますが、感染防止を図りつつ、経済活動を高めていくことが、国民の生活と暮らしを守っていく上で必要であると考えています。
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