孤立や生活困窮を社会的に救う手立てはあるか 加藤勝信厚労相「社会的システムを作り上げる」

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近藤:オンライン診療や電子カルテ情報の活用など、これまでも進めるべきとされていたのに進んでいなかった医療サービスのデジタル化が、ここで一気に進みました。リアルには会えなくても、バーチャルに人と会うことで達成できることが格段に増えました。手軽なオンライン会議サービスが普及したことで、外出自粛中もテレワークによる業務継続が可能となり、会えないことによる孤立や孤独感の解決にも貢献しています。

一方で、国民からすると、自分の健康状態などのデータを国や一部の企業が管理することとなり、監視や情報漏洩が心配です。

個人情報に配慮しながら個人にマッチする医療・福祉を

加藤:医療や福祉のデータは個人情報の非常にコアな部分です。そこが第三者へ漏洩し、その人にとって不利益に働くようなことが決してあってはなりません。そのため、「個人情報保護」は非常に大事な柱です。個人情報に十分配慮しながら、個人にマッチする医療や福祉のサービスが、より効率的に提供されていくようにしていくことが必要だと考えます。

近藤:個人の病歴や生活歴、介護履歴などが関係者間で共有されることで、最適な支援策が見つかるのはありがたいです。生活困窮の有無など、信頼関係がないと聞きづらい情報が安全に共有できることも重要です。過度に恐れてせっかくの技術を活用しないのはもったいないですね。

加藤: 地域の医療、福祉、行政、様々な専門家の方々が連携して、最新技術を駆使して様々なデータを活用することにより、個々の人にとってより適切な社会保障等のサービス提供や福祉面の支援が行われていくことが大事です。

こういう取り組みを通じて、その人らしく、より安心して、いつまでも健康で暮らしていける社会の実現を、私たちは目指していきたいと考えています。

(構成:二宮 未央/ライター、コラムニスト)

中室 牧子 慶応義塾大学総合政策学部教授

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なかむろ まきこ / Makiko Nakamuro

1998年慶応大学卒業。米コロンビア大学で博士号取得(Ph.D.)。日本銀行や世界銀行での実務経験を経て、2013年から慶応大学准教授、19年から現職。専門は教育経済学。

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