半沢直樹の「上戸彩」が良い感じに浮いている訳

女優の自分を客観視し、子育てと両立する強さ

その後、2001年の「3年B組金八先生」(TBS系)で性同一性障害の生徒役、2003年の「高校教師」(TBS系)で余命わずかだと思い込み教師に恋をする女子高生役、2007年の「暴れん坊ママ」(フジテレビ系)で当時22歳にして後妻かつ継母役、2008年の「セレブと貧乏太郎」(フジテレビ系)でホテル王の令嬢で世間知らずのわがままセレブ役、2010年の「流れ星」(フジテレビ系)で借金の肩代わりに肝臓移植のドナーとなるイメクラ嬢役、2013年の「いつか陽のあたる場所で」(NHK)で昏睡強盗の罪で7年間服役して家族から絶縁された女性と、世間のイメージ以上に難しい役に挑み続けてきました。

1970年代の名作漫画ヒロインを演じた2004年の「エースをねらえ!」(テレビ朝日系)、2005年の「アタックNo.1」(テレビ朝日系)も含めて、無茶振りのようなオファーが多かったにもかかわらず、スタッフや視聴者の期待に応えようと逃げずに向き合ってきたのです。

しかも2015~2016年に産休・育休をもらうまで上戸さんは働きっ放し。なかなか家に帰れず、ほとんど寝られないハードな日々が続き、「逃げ出したい」という思いを振り切って、ひたすら演じ続けてきました。これまで数千人の芸能人を取材してきましたが、「長年に渡って期待に応え続ける」というプロ意識で上戸さんは芸能界屈指。実際インタビューしたときも上戸さんは、「せっかく期待してもらえているので頑張りたい」「初心を忘れずにいただいた仕事と向き合いたい」などと脱力した笑顔で話していました。

代表作の1つとなった「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジテレビ系)では不倫に溺れる女性を好演しましたが、これも、迷い戸惑いながらも、「『不倫は絶対にしたくない』と思っている上戸さんに演じてもらいたい」という熱烈なオファーに応えた結果。上戸さんは今年で女優デビュー20周年を迎えますが、期待に応え続けることで求められる役柄も、演じられる役柄も、徐々に広がっていったことがわかるのではないでしょうか。

もし上戸さんが自分のやりたい仕事を中心に活動していたら、ここまで役柄の幅が広がることも、人気を保つこともできなかったかもしれません。最近は20代前半の早い段階から、「自分で出演作を選びたい」という俳優も少なくありませんが、上戸さんは“プロとして他人の期待に応えること”の大切さを教えてくれているのです。

育児との両立に見るブレない姿勢

現在の上戸さんを語る上で欠かせないのは、家族と子育て。彼女は2012年9月14日、27歳の誕生日にEXILE・HIROさんと結婚し、2015年8月に長女、2019年7月に長男を出産しました。

上戸さんは結婚以前から何度となく「家族がいちばん大事」と話し、出産後は「子育て第一」という言葉を語っています。また、あれだけ多くの仕事をこなし続けてきた上戸さんが第一子出産後は1年間の休みをもらっていました。それ以外でも、基本的に仕事を家に持ち込まず、「セリフは子どもが寝てからか、移動中に覚える」など、仕事と育児をしっかり両立。普通はここまで「子育て第一」と明言してしまうと、人気者でもオファーが減ってしまうものですが、上戸さんへのオファーが絶えないのは、そのスキルと人柄が評価されているからにほかなりません。

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