普段意外とできていない「正しい呼吸」の仕方 ちゃんとした呼吸に導く9つのエクササイズ

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つまり鼻呼吸の最初のステップは、鼻詰まりを解消することにある。「スプレー薬や鼻うがいの器具を使うといい」とネスターは言う。「私は鼻の下にユーカリオイルを塗っている」。

鼻すっきりの奥の手:パトリック・マキューン著『トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法』で紹介されている方法も鼻詰まり解消に役立つかもしれない。いわく、背筋を伸ばして座り、鼻から優しく息を吸って吐く。

(イラスト:Brown Bird Design)

それから鼻をつまんで頭を前後左右に振る。息がしたくなったら、鼻からゆっくり(まだ鼻が通っていないようなら口をすぼめて)息をする。30秒から1分、静かに呼吸したら、同じことをさらに5回繰り返すというものだ。

呼吸の際に平均的な成人は横隔膜の10%程度しか使っていない。横隔膜とは肺の下にあるクラゲのような形の筋肉で、主に呼吸を司っている。浅い胸式呼吸をしていると、心臓に過度の負担をかけたり、首や肩の筋肉を痛めたり、軽度のストレス状態から抜けられなくなる可能性がある。ところが横隔膜呼吸(または腹式呼吸)をするようになれば、もっと深く呼吸できるようになり、肺が取り込む酸素の量は増え、ストレスは減る。

腹式呼吸をやってみよう

腹式呼吸の練習法:仰向けに横たわり、両膝を立てる。片方の手を胸の上に置き、もう片方の手は胸郭のすぐ下あたりの腹の上に置こう。鼻からゆっくりと息を吸うと、胃のあたりがふくらむのが手で感じられるはずだ(胸に置いた手の方が動くのはNG)。

次に鼻(もしくはすぼめた口)からゆっくりを息を吐き出し、腹部のふくらみが元に戻るのを感じよう。これを5~10分間繰り返す。楽にできるようになったら、座った状態や立った状態で練習してみよう。

(イラスト:Brown Bird Design)

胸に息を吸い込むと、首や肩、胸の上部や背中の筋肉が呼吸を助けようとして硬くなりがちだ。そして上半身の筋肉がこわばった状態が続くと、通常の呼吸の妨げになりかねない。

だが、上半身をテニスボールかマッサージ用ボールでほぐせば、この悪循環を断ち、筋肉をゆるめたり伸ばしたりリラックスさせることができる(注:ラクロスのボールは使わないこと。硬質ゴムでできているので、効果が出る前にもさらなる痛みを招くかもしれない。特に首の筋肉ではその危険がある)。

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