福井信英
前回の記事では、大学生活でまず最初に学ぶべきは、自ら問いを立て、議論を通じ考えを深める力(≒哲学・クリティカルシンキング)であると述べた。
今回は、私自身が実践しているインターネットを通じて学びを深める方法をお伝えしたい。それは、BlogやTwitterを利用する方法だ。これは、大学の専攻に関しての知識・理解を深めたり、ゼミや研究室に入る際にも、就職活動にも役立つ。
●Blogはインプットとアウトプットに最適のツール
私が勧める方法とは、学んだことをまとめるBlogを書くことだ。インプットした内容はアウトプットして初めて自分の力になるというが、アウトプットの場をインターネットの世界に求めるのだ。今は、LivedoorBlogや、Blogger、はてなダイアリーなど、ほんの数分で開始できるBlogが世にあふれているから、これを使わない手はないだろう。私は4年ぐらい前からBlogを書き始めたのだが、自分自身のインプットとアウトプットのためのツールとして、本格的に取り組み、頻繁に更新するようになったのは、ごく最近の話だ(参考:人と組織と fukui's Blog)。 学生時代から経済と政治の関係に興味があったので、経済系のBlogを片っ端からGoogleリーダーに放り込み、毎日更新状況をチェックするようになった。経済系の記事を読んでいると、当然次に目に入ってくるのが政治と数学で、政治に関しての記事を読んでいると、歴史と軍事と地政学に興味をもつようになり…、と気づけば、Googleリーダーに登録されているBlogは200を軽く超えるようになった。
まずは、自分の興味・関心がある分野、専攻している分野に関して書かれているBlogを片っ端から購読してもらいたい。得意な分野から読み始め、関連する分野に広げていく。それが、哲学・クリティカルシンキングの実践的なトレーニングの1stステップだ。
●多様な意見を受け入れ、自分の意見を磨く
Googleリーダーに登録されているブログが200を超えてくると、一つの事実に対して、さまざまな立場から意見が寄せられていることに気づく。ウェブ上で目立つ記事には、論争のネタとなりやすい「過激な問題提起型」の記事も多い。こういった記事は下記のような特徴を持つ。
・客観的なデータを示していない。あるいは、意図的な解釈をしている。
・論理ではなく、感情での議論に終始している。
・客観的視点ではなく、ポジショントークになっている。
・偏見に満ち、倫理観に欠ける。
心当たりはないだろうか。・論理ではなく、感情での議論に終始している。
・客観的視点ではなく、ポジショントークになっている。
・偏見に満ち、倫理観に欠ける。
答えは一つ、という教育を受けてきた場合、多種多様な意見が頭に入ってきて、何が本当の答えかわからなくなる。そこで初めて、自分で調べ、事実を見極め、自分の意見を持つことが重要だと気づくことになる。さまざまな立場の意見を知り、そのうえで事実とデータをもとに論理的に考え、立場や偏見を捨て去り、自分なりの考えを持つ。この訓練をすることが、哲学・クリティカルシンキングのトレーニングの2ndステップだ。
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