異性に「モテない職業」39歳女医が結婚できた訳 気乗りしない紹介で出会った「大親友」

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それから結婚するまではわずか半年。まさにとんとん拍子だ。理恵さんは、仁さんのことを「大恋愛の相手」ではなく「大親友のような存在」と評する。

「人としての優しさや社会常識をちゃんと持っている人です。その点で医者は偏ってしまうことが多く、私も例外ではありません。仁さんは私が今まで習ってこなかったこと、私に足りてないことをいっぱい教えてくれます。私の先生みたいな人です」

夫への敬意を隠さない理恵さん。普段は「先生」と呼ばれて頼りにされる仕事だけに、配偶者を尊敬できることに喜びを感じるのかもしれない。

「仁さんは『いいマザコン』です。ちゃんと自立していて母親から支配はされていないけれど、折に触れてきちんと自分のお母さんを気にかけています。コロナ禍ではすぐにマスクを送っていました」

大親友のような2人だが、趣味や性格は異なっている。例えば、仁さんは陶器が好みだが、理恵さんは磁器を使いたい。仁さんはサスペンスドラマをよく見るけれど、理恵さんは怖くて嫌いだ。家事全般ができる仁さんは料理に関しては感覚派。「貧乏性」なので冷蔵庫に残っている食材をあれこれ使う。レシピを見てきっちり作りたい理恵さんとは対照的である。

「仁さんは裏表がない人で、ダメなものはダメだと相手のためにはっきり言います。昔、私は自分の言いたいことをはっきり口に出せなかったので、仁さんのそんなところも好きです」

結婚生活の安心と面白さを日々体感している理恵さん。ただし、若い頃だったら仁さんとの組み合わせはありえなかったかもしれないと告白する。

「趣味も性格もぴったり合うような人と何でも一緒にやる、みたいな結婚生活が理想だったからです」

仁さんは結婚後も華道を続けており、その趣味は理恵さんではなく義母と共有している。配偶者と実親が仲良くしてくれることは、実際に結婚した者にしか感じにくい理想だと筆者は思う。

「好きなものは夫婦それぞれでいいのだと、今では思っています。でも、モラルとして嫌いなこと、許せないことは仁さんと同じです」

子どもに関しては、理恵さんは「切望はしていない」。もっと若い頃ならば欲しかったと率直に話す仁さんは、現在の年齢ではほぼ諦めている。

「私は定年まで残り8年です。子どもができたら大学は出してあげたいと思うので、現実的ではない気がします」

大切なのは精神的な柔らかさ

自宅では冷蔵庫の片付けから靴磨きまで、細かな家事を熱心にやっている仁さん。よくしゃべるのも仁さんのほうらしい。共働きをしながら、似たものではない夫婦が仲よく暮らしている様子が目に浮かぶようだ。

インタビューを終えた後、勉強家の理恵さんから「晩婚さんの共通点はありますか?」と聞かれた。すぐに思いついたのは「柔軟」という言葉である。思い描いていたような理想のタイプではなくても、信頼できる人からの紹介なら会ってみて、「嫌じゃない」と思うならば前に進んでみる。まさに理恵さんと仁さんが実践したことだ。柔らかく、開放的な姿勢とも言える。

結婚した後も予期せぬことはたくさん起きる。とくに晩婚さんの場合は、不妊治療や老親の世話問題に直面しやすい。「こうじゃなくちゃいけない」という思い込みは自分たちを苦しめることになりかねない。現実を直視し、明るさは失わず、対処していくほうがいい。そのときにも大切なのが精神的な柔らかさだと思う。

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