一方、町村の財政健全度では、テレビ番組などで「日本一裕福な村」として取り上げられることもある飛島村(愛知)が、昨年に続いて1位となった。同町南部には臨海工業地帯が整備され、工場、倉庫、発電所などが多く立地している。
2位の忍野村(山梨)は、コンピュータ数値制御や産業用ロボットで世界首位のファナックの本社が所在。自然豊かな観光地としても人気が高い。
3位の川越町(三重)は、交通利便性が高く、町東部の臨海工業地域に多くの企業が立地。中部電力・川越火力発電所も擁する。
上位3町村はいずれも、収支カテゴリーでやや順位が下がるものの、財政基盤と将来負担のカテゴリーの評価が高い。豊かな税収をため込むことなく住民に還元しつつも、将来世代に負担を先送りしていない状況がうかがえる。
なお、今回の財政健全度ランキングでは、主として、公表されている最新値である2018年度の財務情報を用いたことから、新型コロナによる影響が考慮されていない点には留意いただきたい。程度の差はあれ、いずれの自治体でも今後、新型コロナによる財政への悪影響は避けられないだろう。
2020年6月時点で全国にある1718市町村(792市、926町村)を対象とし、市と町村それぞれで偏差値を算出して順位を算出。他市と比較可能な指標がそろわない東京23区は除外。
「収支」、「弾力性」、「財政力」、「財政基盤」、「将来負担」の5つの視点から、20のデータを用いて算出。
各指標について平均値を50とする偏差値を算出。すべての指標の偏差値を平均したものを「総合評価」としている。偏差値は、特異数値による過度の影響を避けるため、各指標の最高を70、最低を30に調整している。
(1)実質収支比率(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(2)人口当たり財政調整基金残高(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(3)人口当たり歳入決算総額(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(4)人口当たり人件費・物件費等歳出総額(※)(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(5)経常収支比率(※)(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(6)公債費負担比率(※)(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(7)義務的経費比率(対歳出総額)(※)(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(8)自主財源比率(対歳入総額)(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(9)財政力指数(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(10)人口当たり地方税収入額(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(11)納税義務者1 人当たり課税対象所得(2018年):総務省「市町村税課税状況等の調」
(12)平均地価(全用途)(2019年7月):国土交通省「都道府県地価調査」
(13)人口増減率(3年前比)(2019年1月/2016年1月):総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」
(14)生産年齢人口比率(2019年1月):総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」
(15)生産年齢人口当たり民営事業所数(2016年6月):総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」
(16)事業所当たり売上(収入)金額(2015年):総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」
(17)将来負担比率(※)(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(18)人口当たり地方債残高(※)(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(19)地方債依存度(対歳入総額)(※)(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
(20)実質公債費比率(※)(2018年度):総務省「市町村別決算状況調」
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