ファミマが挑む"健康コンビニ"革命 調剤薬局一体型店舗で小商圏を囲い込む
セブン-イレブンの独り勝ちが続くコンビニ業界で、新たな店舗づくりを模索する動きが出てきている。
「これからは、調剤薬局併設店が(店舗戦略の)4番バッターになる」(ファミリーマートの本多利範・常務執行役員)。国内3位のファミリーマートが4月1日にオープンした、調剤薬局一体型コンビニ「ファミリーマート+なの花薬局 新宿百人町店」。調剤薬局大手のメディカルシステムネットワークと共同で開発した、新しい形態の店舗だ。
既存のファミリ―マートを改装し、売り場面積の2割を調剤スペースに充てた。また、コンビニ部分には医薬品や健康食品などの品ぞろえを充実させた。1日当たりの物販収入は改装前に比べて50%増という目標を掲げる。提携先のメディカルシステムネットワークの下には全国1000店規模の個人調剤薬局が加盟しており、今後はそれらの薬局についてもコンビニ機能を付与した一体型店舗へ切り替える計画だ。
こうした動きは、ファミリーマートだけではない。国内2位のローソンも薬局大手・クオールと提携するなど、近年、コンビニとドラッグストア・調剤薬局との一体型店舗の展開が進んでいる。その背景には何があるのか。
店舗拡大による成長は限界
4月に発表されたセブン-イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートのコンビニ大手3社の2013年度決算は、増収増益でそろい踏み、最高益を更新した。2014年度も3社とも1000店以上の出店を計画している。業績だけを見れば順風満帆のコンビニ業界だが、必ずしも未来が明るいわけではない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら