日米韓台を俯瞰して見えた「プロ野球」の窮状 ウィズコロナで迫られる4カ国の大きな決断

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6月19日に無観客で開幕した日本のプロ野球。各地の球場に観客の姿が戻るのはいつになるか(写真:ロイター/アフロ)

ほぼ3カ月遅れで始まったプロ野球のペナントレースだが、序盤は大きなアクシデントは起こっていない。関係者は胸をなでおろしていることだろう。

無観客試合もおおむね好評のようだ。3月のオープン戦から6月の練習試合と無観客試合が続いていたが、筆者は今一つ集中できなかった。しかしシーズンが開幕すると、多くのファンが「案外面白い」と感想を述べている。

公式戦ともなれば、選手の目の色が変わってくる。打球音や捕球音、選手の掛け声など、これまで大応援にかき消されていた音がリアルに聞こえるのも、臨場感があってよいということだろう。

無観客試合のままでは厳しい

とはいえ、いくら好評でも、いつまでも無観客試合を続けるわけにはいかない。観客を入れなければ、入場料収入は入ってこない。放映権料はあるにせよ、このままでは赤字である。何としても、お客を入れて試合するところまでこぎ着ける必要がある。

日本野球機構(NPB)は、7月10日から有観客での試合を開催すると発表。すでにチケット販売もスタートしている。当面、観客数は収容率の50%以内、または5000人が上限となる。各球団は身元がはっきりしたファンクラブや年間指定席購入者を中心に、観客を入れる方針だ。

NPBはこれまでもJリーグとともに委嘱した専門家チームの助言を順守してきた。試合開催についてはガイドラインを設定。「選手、監督、コーチ、審判員、スタッフを守る」「観客を守る」「選手、監督、コーチ、審判員、スタッフ、観客がクラスターになることを防ぐ」「日本のスポーツ文化を守る」を基本原則に掲げて、難局を打開しようとしている。

気になるのは、感染者数の動向だ。地方では2カ月以上感染が発生せず、現在陽性者がゼロになっている県もある一方で、7月に入って東京都を中心に感染者が増えている。

首都圏には、東京に巨人とヤクルト、埼玉に西武、神奈川にDeNA、千葉にロッテと球団が集中しているだけに気がかりだ。警戒を怠らなかったとしても、有観客に移行すれば、感染者が出たり、クラスターが発生したりするリスクは避けられないだろう。

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