新型コロナウイルスが企業業績へ与えたショックは想像以上のものだった。6月26日(金)発売の『会社四季報』(2020年3集夏号)でも、前号予想より減益となった会社、赤字幅が拡大した会社が非常に多い。秋に向けて第2波への懸念も高まっている。
しかし、5月25日に東京等でも緊急事態宣言が解除され、6月19日には都道府県をまたぐ国内移動も解禁。外国人の来日も段階的に許可されるなど、徐々に国内経済は正常化へと向かいつつある。今回の夏号では、コロナを機に大きな変化を遂げた会社、コロナにかかわらず魅力的なトピックスを掲載した会社も満載だ。ごく一部になるが紹介したい。
あのケンタッキーが外食「勝ち組」に
日本KFCホールディングス(9873)
【飛 躍】店舗純増前期(1増)並み。既存店は巣ごもり需要捉え好発進。まとめ買いで客単価鋭伸。デリバリーも拡大。コロナ収束後も成長続く。前期のレジ等更新費ない。持分損見込まず。税平常化。50周年配か。
同じファストフードの日本マクドナルドホールディングスも既存店売上高が好調な推移となっているが、ケンタッキーは今号でも屈指の担当記者による強気の見出しとなっている。以前から持ち帰りが強かったという点に、コロナによるテイクアウト需要の増加がばっちりと時代にマッチしたようだ。店頭スタッフによるドライブスルーの効率化などの施策も進めており、しばらくは強い基調が続きそうである。
モスフードサービス(8153)
【本領発揮】従来6割の持ち帰り販売比率が8割超に一段増。事前ネット注文を改良、紙の割引券やカスタマイズに対応。宅配代行(約250店)は店舗売上の1割に成長。
ケンタッキーと同様、テイクアウトに強かったのがモスバーガーだった。元からテイクアウトの比率が6割だったということも驚きだが、なんと現在では8割超にまで増加している。これだけテイクアウトの比重が高まると、今後は飲食スペースを縮小した店舗など、出店形式も多少変わってくるかもしれない。
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