ユニクロに激震?「会社四季報」夏号の注目点 テイクアウト、物流、電子印鑑も新時代のカギ

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EduLab(4427)

【続 伸】主力の英ナビ広告やライセンス収入の拡大続く。テスト運営・受託も調査業務が堅調。上期にテストセンターの費用集中するが、連続増益。

教育系では利益率が高い会社も見られるが、英語などの能力検査の試験開発、分析、教育サービスを提供するEduLabも、近年、売上高、利益ともに大幅に積み増している会社である。成長率や利益率の高さが注目に値にするだけでなく、eテスティング・eラーニング事業において日本英語検定協会向けの比重が高いという特徴がある。業績の安定感も高いと言えるかもしれない。

エフピコ(7947)

【最高益】宅配ポータルサイトや給食大手との協業で数量増加。耐寒・耐熱容器など好採算オリジナル品の比率拡大。原油価格低下も追い風。ロボット導入や自動倉庫でコスト抑制。償却費負担こなし営業増益。

食品トレーや弁当・総菜容器の最大手であるエフピコ。中食、内食需要などで注目される会社だが、今期は最高益を更新する見通しだ。食品スーパーなどがコロナによる巣ごもり需要で好調だが、関連してトレー類の需要も伸びているのかもしれない。また原油価格の低下も追い風となっているようだ。

クラウドで電子契約すれば、ハンコは不要?

GMOクラウド(3788)

【電子印鑑】電子印鑑アグリーは4月以降の新規客には標準プランを1年間無償提供、テレワーク商機に利用の一気拡大狙う。請求や支払いの機能も追加し競争力強化。

AmidAホールディングス(7671)

【小幅増益】21年6月期はゴム印などスタンプも底堅く、ネット通販続伸。人件費や広告宣伝費増など吸収し営業益改善。

この2社はセットで紹介したい。GMOクラウドのクラウド型電子契約サービス「GMO電子印鑑Agree」は無償キャンペーンで本格的に顧客開拓を始めたところ。電子契約は他社もサービスを投入、今後普及が進むだろう。一方で、ハンコのネット通販「ハンコヤドットコム」を展開するAmidAホールディングスも業績を伸ばしている。「ハンコは不要」との流れは逆風でも、ネット通販なら売れるようだ。なんとも不思議な現象と言える。

いかがだろうか。『会社四季報』夏号では、新型コロナの影響で春号の予想よりも業績予想が悪化した会社も多数あるが、魅力的な材料を盛り込んだ会社もまた相変わらず多い。ぜひ、さまざまな会社の好材料やコロナによる変化のきっかけを、投資家の方々は見つけてほしい。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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